ランニングウォッチの購入を検討する際、「カロスとガーミンを比較して、どちらが自分に合っているのか」と悩む方は少なくありません。
登山やランニング、水泳、サイクリングなど、多様なアクティビティに対応する両ブランドですが、その特徴は大きく異なります。
この記事では、機能性やバッテリーの持ち、着け心地、そしてコストパフォーマンス(コスパ)に至るまで、あらゆる角度から徹底的に解説します。
データ移行の方法にも触れるため、買い替えを検討中の方にとっても、後悔しない一台を見つけるための確かな情報が得られるはずです。
- カロスとガーミンの基本的な性能や特徴の違い
- 価格、機能、バッテリーなど項目別の詳細な比較
- ランニングや登山など利用シーンごとのおすすめ
- 初心者から上級者までモデル別の選び方
当記事で紹介している腕時計一覧
基本性能で見るカロスとガーミン比較
新興勢力カロスはどんなメーカー?
カロス(COROS)は、2014年にアメリカで設立された比較的新しいGPSウォッチブランドです。
特に、長距離ランナーやトレイルランナーといった、極限の状況でパフォーマンスを追求するアスリートから絶大な支持を集めています。
その理由は、シンプルながらもランニングに不可欠な機能に特化し、驚異的なバッテリー持続時間と高いGPS精度を、優れたコストパフォーマンスで実現している点にあります。
多くのモデルで軽量設計が徹底されており、長時間の装着でもストレスを感じさせません。
また、エリウド・キプチョゲ選手や大迫傑選手など、世界のトップランナーが開発に協力・愛用していることも、その信頼性の高さを物語っています。
言ってしまえば、「走る」という行為に真摯に向き合うランナーのための、実直なツールを提供するメーカーと考えられます。
絶対王者ガーミンはどんなメーカー?
ガーミン(GARMIN)は、1989年にアメリカで設立されたGPS機器のパイオニアであり、ランニングウォッチ市場において長年、絶対的な王者として君臨しています。
その最大の強みは、圧倒的な製品ラインナップと、ランニングだけでなく日常生活のあらゆる側面をカバーする多機能性にあります。
例えば、詳細なカラー地図表示やナビゲーション機能、Suicaなどの電子マネー決済、Spotifyといった音楽ストリーミングサービスとの連携機能は、多くのガーミン製品で利用可能です。
また、「Body Battery」や睡眠スコアといった独自の健康管理機能も充実しており、トレーニングの成果を最大化するためのコンディショニングにも役立ちます。
このため、ランニングやスポーツだけでなく、日々の健康管理やスマートウォッチとしての利便性も重視するユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢を提供しているメーカーです。
2025年最新の人気ランキングをまとめましたので、ガーミンが欲しいって方はこちらのページで各モデルの特徴を確認しみてください。
バッテリー持続時間の長さを比較
ランニングウォッチを選ぶ上で、バッテリーの持続時間は最も重要な比較項目の一つです。この点においては、カロスがガーミンを大きくリードしていると言えます。
なぜなら、カロスはディスプレイの消費電力を抑えるなどの省電力設計を徹底し、長時間の稼働を最優先に考えているからです。
一方、ガーミンの多くのモデルは高精細なAMOLED(有機EL)ディスプレイを採用しており、表示の美しさと引き換えにバッテリー消費が大きくなる傾向があります。
具体例として、同価格帯のモデルを比較した以下の表をご覧ください。GPSをフル活用するモードでの稼働時間には、顕著な差が見られます。
モデル | GPSモード(標準) | スマートウォッチモード(日常使用) |
COROS PACE 3 | 最大38時間 | 最大17日間 |
Garmin Forerunner 165 | 最大19時間 | 最大11日間 |
COROS PACE Pro | 最大38時間(全システムオン) | 最大20日間 |
Garmin Forerunner 265 | 最大20時間(マルチバンド) | 最大13日間 |
このように、特にウルトラマラソンや数日にわたる登山など、充電の機会が限られるアクティビティを想定する場合、カロスのバッテリー性能は絶大な安心感をもたらします。
ただ、ガーミンも日常的なランニングやトレーニングでは十分な性能を持っており、週に1〜2回の充電で問題なく使用できるモデルがほとんどです。
GPS精度の違いをデータで比較
GPSの精度は、走行距離やペースを正確に記録するための生命線であり、両ブランドとも非常に高い技術を持っています。
現在のところ、両者の最新モデルを比較すると、実用上はどちらも極めて高い精度を誇ると言えます。
この精度の高さを支えているのが、「マルチバンドGNSS(2周波GPS)」という技術です。
これは、複数の衛星システム(GPS, GLONASS, Galileoなど)から、さらに複数の周波数帯(L1とL5)の電波を同時に受信する技術です。
このため、高層ビルが立ち並ぶ都市部や、電波が届きにくい深い森の中など、従来は誤差が生じやすかった環境でも、正確な位置情報を捉え続けることが可能になりました。
ただし、両ブランドの戦略には違いがあります。
カロスは、比較的安価なエントリーモデルである「PACE 3」にもこのマルチバンドGNSSを搭載しています。一方、ガーミンでは「Forerunner 265」以上のミドルレンジからハイエンドモデルに搭載される傾向があります。
一部の比較テストでは、400mトラックを周回した際に、カロスがより誤差の少ない計測結果を示したという報告もあります。
もっとも、これは特定の条件下での結果であり、どちらが絶対的に優れていると断言するのは困難です。いずれにしても、最新世代のモデルを選べば、GPS精度に関して不満を感じる場面は非常に少ないと考えられます。
価格とコストパフォーマンスを比較
価格と機能のバランス、つまりコストパフォーマンス(コスパ)を重視する場合、カロスに大きな優位性があると考えられます。
その理由は、カロスが必要な機能に絞り込み、シンプルな設計思想を貫くことで、高い性能を維持しながら価格を抑える戦略をとっているからです。
前述の通り、ガーミンでは上位モデルにしか搭載されないマルチバンドGNSSを、カロスはエントリーモデルから搭載している点がその象徴です。
実際の価格帯を、機能的に同等クラスとされるモデルで比較すると、その差は明確になります。
クラス | モデル | 参考価格(税込) | 主な特徴 |
エントリー | COROS PACE 3 | 約33,000円 | マルチバンドGPS, 38時間バッテリー |
Garmin Forerunner 165 | 約39,800円 | AMOLEDディスプレイ, Suica対応 | |
ミドル | COROS PACE Pro | 約49,940円 | AMOLED, 地図表示, 38時間バッテリー |
Garmin Forerunner 265 | 約62,800円 | AMOLED, マルチバンドGPS, 音楽機能 |
このように、純粋なランニングウォッチとしての性能、特にGPS精度やバッテリー持続時間といったコアな機能を重視するならば、カロスは非常にお得な選択肢となります。
一方で、ガーミンは価格が高い分、Suica対応や音楽ストリーミング連携、豊富な健康管理機能など、日常生活を豊かにする付加価値を提供しています。
したがって、スマートウォッチとしての総合的な利便性を含めて評価するならば、ガーミンの価格設定にも納得できる部分があります。
搭載されている便利機能の比較
搭載されている機能の方向性において、両ブランドは対照的なアプローチを取っています。言ってしまえば、総合的なスマート機能のガーミン、トレーニング特化のカロスという構図が明確です。
ガーミンは、ランニングウォッチの枠を超えた多彩な機能を搭載しています。
ガーミンの主な便利機能
- 電子マネー決済: SuicaやGarmin Payに対応し、ランニング中の買い物や公共交通機関の利用が時計だけで完結します。
- 音楽機能: SpotifyやAmazon Musicなどの主要な音楽配信サービスと連携し、スマートフォンなしで音楽を聴きながら走れます。
- 健康モニタリング: Body Battery、睡眠スコア、ストレスレベルなど、日々のコンディションを詳細に可視化し、トレーニングの質を高めるための指標を提供します。
- 地図機能: 上位モデルにはフルカラーの詳細地図が搭載され、ナビゲーション機能も充実しています。
一方、カロスは機能をトレーニングに関連するものに厳選しています。
カロスの主な便利機能
- シンプルな操作性: 物理ボタンとデジタルダイヤルを中心とした直感的な操作系で、トレーニング中でも迷わず扱えます。
- トレーニング分析: 専用アプリ「COROS TRAINING HUB」では、専門的なデータ分析が可能です。
- 軽量設計: 余計な機能を省くことで、本体の軽量化を実現し、長時間の装着でも快適です。
どちらを選ぶかは、何を重視するかによって決まります。日常生活での利便性や健康管理まで一台でこなしたいのであればガーミンが、純粋にトレーニングに集中できるシンプルなツールを求めるのであればカロスが、それぞれ適していると考えられます。
本体の重量や装着時の着け心地を比較
ランニングウォッチは長時間身につけるものだからこそ、重量やバンドのフィット感といった着け心地は極めて大切です。
この点では、軽量性を追求するカロスに分があると言えるかもしれません。
カロスは、多くのモデルで30g台という驚異的な軽さを実現しています。特にナイロン製のバンドは通気性が良く、肌触りも優しいため、汗をかくシーンや睡眠時でも快適な装着感が続きます。手首が細い方でもしっかりとフィットさせやすい点も評価されています。
一方、ガーミンも軽量なモデルはありますが、多機能な分、部品点数が増え、やや重くなる傾向が見られます。シリコンバンドが主流ですが、モデルによっては硬さや厚みが異なり、人によってはフィット感に好みが分かれる可能性もあります。
モデル | 重量(シリコンバンド) | 特徴 |
COROS PACE 3 | 39g (ナイロンバンド: 30g) | 圧倒的な軽さが魅力 |
Garmin Forerunner 165 | 39g | カロスに匹敵する軽さ |
COROS PACE Pro | 49g (ナイロンバンド: 37g) | 多機能化しつつも軽量性を維持 |
Garmin Forerunner 265 | 47g | ミドルクラスとして標準的な重量 |
COROS APEX 2 Pro | 53g (ナイロンバンド: 42g) | 頑丈な素材でも軽量 |
Garmin Forerunner 965 | 53g | チタンベゼル採用のハイエンドモデル |
もちろん、ガーミンの装着感が劣るというわけではありません。豊富な交換用バンドが用意されており、自分好みにカスタマイズする楽しみもあります。
最終的には個人の感覚によるところが大きいですが、わずかな重さもストレスに感じるシリアスなランナーや、とにかく軽いモデルを求める方にとっては、カロスの設計思想がより魅力的に映るかもしれません。
当記事で紹介している腕時計一覧
用途・モデルで見るカロスとガーミン比較
登山、ランニング、水泳など用途別に比較
カロスとガーミンは、どちらも多様なスポーツに対応していますが、それぞれの得意分野には若干の違いがあります。
ランニング
ランニングにおいては、両者ともに極めて高性能です。
ただ、純粋な走力向上を目指すシリアスランナーには、軽量でバッテリー持ちが良く、操作がシンプルなカロスが好まれる傾向があります。
一方、音楽を聴きながら楽しみたいファンランナーや、日々の健康管理と合わせてランニングに取り組みたい方には、多機能なガーミンが適しています。
登山・トレイルランニング
この分野では、モデルによって評価が分かれます。
カロスの「APEX」や「VERTIX」シリーズは、圧倒的なバッテリー持続時間と頑丈な設計で、数日間にわたる縦走や過酷なトレイルレースで絶大な信頼性を発揮します。
一方、ガーミンの「fenix」シリーズや「Forerunner 965」などが搭載するフルカラーの地形図と詳細なナビゲーション機能は、道迷いのリスクを大幅に軽減してくれるため、安全性という面で非常に価値が高いです。
ルートの視認性を重視するならガーミン、バッテリーを最優先するならカロス、という選択が考えられます。
サイクリング・水泳
サイクリングや水泳などのアクティビティにおいても、両ブランドは必要なデータを十分に計測できます。
サイクリング用のパワーメーターや、スイム中の心拍計といった外部センサーとの連携性については、ガーミンのほうが対応する製品が多く、やや有利な場合があります。
しかし、カロスも主要なセンサーには対応しており、基本的なトレーニングで困ることはないでしょう。
初心者向けエントリーモデルを比較
初めてランニングウォッチを購入する方にとって、カロスの「PACE 3」とガーミンの「Forerunner 165」は、どちらも非常に魅力的な選択肢です。
両モデルは、ランニングに必要な基本機能を網羅しつつ、それぞれに異なる強みを持っています。
比較項目 | COROS PACE 3 | Garmin Forerunner 165 |
ディスプレイ | 液晶(MIP) | 有機EL(AMOLED) |
GPS精度 | マルチバンド対応 | シングルバンド |
バッテリー | 最大38時間 (GPS) | 最大19時間 (GPS) |
主な機能 | トレーニング機能特化 | Suica, 音楽, 健康管理 |
参考価格 | 約33,000円 | 約39,800円 |
ECサイト |
Amazon
楽天
Yahoo
| Amazon 楽天 Yahoo |
COROS PACE 3の強み
最大の魅力は、価格を抑えながらも上位モデルに匹敵するコア性能を備えている点です。
特に、GPS精度を高める「マルチバンドGNSS」の搭載と、最大38時間という圧倒的なバッテリー持続時間は、この価格帯では他の追随を許しません。
純粋にランニングの記録精度と、充電の手間から解放されたいと考えるランナーにとって、最高のコストパフォーマンスを提供します。
Garmin Forerunner 165の強み
一方、Forerunner 165は、鮮やかで見やすい「AMOLEDディスプレイ」と、日常生活を便利にするスマート機能が強みです。
Suicaに対応しているため、ランニング中の自販機での買い物もスムーズです。また、詳細な睡眠分析やストレスレベルの計測など、ガーミンならではの健康管理機能も充実しています。
ランニングだけでなく、日常のパートナーとしても活用したい方に向いています。
これらのことから、ランニングウォッチとしての純粋な性能とコスパを求めるなら「PACE 3」、美しい画面表示と日常での利便性を重視するなら「Forerunner 165」が、それぞれおすすめの選択肢と言えます。
中級者向けミドルモデルを比較
トレーニングが習慣化し、より高いレベルを目指す中級者の方には、カロスの「PACE Pro」とガーミンの「Forerunner 265」が主な比較対象となります。
どちらもAMOLEDディスプレイを搭載し、より高度なトレーニング分析機能を備えています。
COROS PACE Pro | Garmin Forerunner 265 | |
ディスプレイ | AMOLED (1.3インチ) | AMOLED (1.3インチ) |
---|---|---|
GPS精度 | マルチバンド対応 | マルチバンド対応 |
バッテリー | 最大38時間 (全システム) | 最大20時間 (マルチバンド) |
地図機能 | 地形図・等高線図表示 | 非対応(ルート案内のみ) |
主な機能 | ECGセンサー(心電図)搭載 | 音楽サービス連携, Garmin Pay |
参考価格 | 約49,940円 | 約62,800円 |
ECサイト | Amazon 楽天 Yahoo | Amazon 楽天 Yahoo |
COROS PACE Proの強み
PACE Proは、ミドルクラスの価格でありながら、ガーミンの上位モデルにしか搭載されていない「地図表示機能」を備えている点が最大の特徴です。
これにより、ロードランニングだけでなく、トレイルランニングでもコースを視覚的に確認しながら走ることが可能になります。また、バッテリー持続時間もForerunner 265の約2倍と、圧倒的なスタミナを誇ります。
よりハードなトレーニングや、多様なフィールドでのアクティビティに挑戦したい方に最適なモデルです。
Garmin Forerunner 265の強み
Forerunner 265は、ガーミンエコシステムの中心的なモデルであり、トレーニング機能とスマート機能のバランスが非常に優れています。
VO2Maxやトレーニング効果といった詳細な指標でパフォーマンスを分析できるほか、Spotifyなどの音楽サービスとの連携やGarmin Payによる決済機能など、日常生活での利便性はPACE Proを上回ります。
トレーニングデータの一元管理や、スマートウォッチとしての完成度を求める方にとって、非常に満足度の高い選択肢となります。
地図機能とバッテリー性能を重視し、様々なアウトドアアクティビティで使いたいなら「PACE Pro」、洗練されたトレーニング分析とスマートウォッチとしての総合力を求めるなら「Forerunner 265」が、それぞれ適していると考えられます。
上級者向け最上位モデルを比較
自己の限界に挑戦し、パフォーマンスを1秒でも縮めたいと願う上級者やプロアスリート向けに、両ブランドは持てる技術の粋を集めた最上位モデルを用意しています。
これらのモデルは、これまで述べてきた全ての機能を網羅した上で、さらに専門的な機能や最高級の素材を備えています。
ここでは代表的なモデルとして、カロスの「APEX 2 Pro」とガーミンの「Forerunner 965」を比較します。
COROS APEX 2 Pro | Garmin Forerunner 965 | |
ディスプレイ | 液晶 (MIP, 1.3インチ) | 有機EL (AMOLED, 1.4インチ) |
GPS精度 | マルチバンド対応 | マルチバンド対応 |
バッテリー | 最大75時間 (標準GPS) | 最大31時間 (標準GPS) |
地図機能 | 地形図・等高線図表示 | フルカラー詳細地図表示 |
主な素材 | サファイアガラス, チタンベゼル | Gorilla Glass DX, チタンベゼル |
特徴的な機能 | 驚異的なバッテリー, 高い堅牢性 | リアルタイムスタミナ, ClimbPro |
参考価格 | 約68,200円 | 約84,800円 |
ECサイト | Amazon 楽天 Yahoo | Amazon 楽天 Yahoo |
COROS APEX 2 Proの強み
カロスの上位モデルは、「堅牢性」と「極限状況下での信頼性」を徹底的に追求しています。
風防には傷に非常に強いサファイアガラスを、ベゼルやケースには軽量かつ高強度なチタンを採用。これにより、岩場での擦れや転倒といったアクシデントにも耐えうるタフネスを実現しています。
そして何より、標準GPSモードで最大75時間という圧倒的なバッテリー性能が最大の武器です。
100マイルを超えるようなウルトラトレイルや、充電がほぼ不可能な環境で活動するアスリートにとって、この信頼性は他の何にも代えがたい価値を持つと考えられます。
Garmin Forerunner 965の強み
ガーミンの上位モデルは、「情報の網羅性」と「ナビゲーション能力」で他を圧倒します。
AMOLEDディスプレイに表示されるフルカラーの詳細な地形図は、現在地やルート、高低差などを直感的に把握する上で非常に有効です。
また、「リアルタイムスタミナ」機能では、現在のペースで走り続けた場合にあとどれくらいのエネルギーが残っているかを予測表示し、レース中の的確なペース配分に絶大な効果を発揮します。
ClimbPro機能が登りの勾配や残りの距離を詳細に表示するなど、特に山岳スポーツにおいて強力な武器となる機能が満載です。
これらの点を踏まえると、極限環境でのサバイバル能力やバッテリー持続時間を最優先するならカロスの「APEX 2 Pro」が、レース戦略やパフォーマンス分析に必要なあらゆる情報を駆使して戦いたいならガーミンの「Forerunner 965」が、それぞれ最適なパートナーとなるでしょう。
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カロスからガーミンへデータ移行
カロスからガーミンへブランドを乗り換える際に、過去のトレーニングデータをどう引き継ぐかは多くの方が気にする点です。
現状、カロスのアカウントからガーミンコネクトへ、ボタン一つで全てのデータを自動的に移行する公式な機能は提供されていません。
なぜなら、両ブランドはそれぞれが独立したエコシステム(プラットフォーム)を構築しており、データの形式や管理方法が異なるためです。
しかし、いくつかの手順を踏むことで、大切な記録を新しい環境へ移すことは可能です。
方法1:重要なアクティビティを手動で移行する
特に思い入れのあるレースの記録や、重要なトレーニング履歴だけでも移したい場合には、手動でのデータ移行が有効な手段となります。
まず、COROSアプリまたはウェブサイトから、移行したいアクティビティを選択し、トレーニングデータ(一般的に「.fit」や「.gpx」という形式のファイル)をエクスポート(書き出し)します。
次に、ガーミンコネクトのウェブサイトにログインし、アクティビティをインポート(取り込み)する機能を使って、先ほど保存したファイルをアップロードします。
この方法の利点は、特定の記録を確実に移せることです。ただ、アクティビティ一つひとつに対して作業が必要になるため、全てのデータを移すのは大変な手間がかかるという点は注意が必要です。
方法2:外部連携アプリをハブ(中継地点)として利用する
最も現実的でスムーズな方法は、「Strava(ストラバ)」のようなサードパーティ製の連携アプリを活用することです。
あらかじめカロスのウォッチをStravaに連携させておけば、記録したアクティビティは自動的にStrava上にも保存されていきます。そして、新しく使い始めるガーミンのウォッチも同じStravaアカウントに連携させます。
こうすることで、乗り換えの前後で記録が途切れることなく、Stravaをデータの保管場所として一元管理できるようになります。
過去の全てのデータがガーミンコネクトに反映されるわけではありませんが、今後のトレーニング管理という点では最もシンプルで間違いのない方法と考えられます。
ガーミンからカロスへデータ移行
ガーミンからカロスへのデータ移行に関しても、カロスからガーミンへ移る場合と基本的な考え方は同じです。
つまり、ブランド間で直接データを一括転送する簡単な公式ツールは存在しないため、外部アプリを介するか、手動でデータを移すことになります。
ガーミンは長年多くのデータを蓄積しているユーザーが多いため、どのデータを、どのように移行するのかを事前に計画しておくことが大切です。
方法1:ガーミンコネクトからデータを手動で書き出す
ガーミンコネクトのウェブサイトには、過去のアクティビティ記録を個別にエクスポートする機能があります。カロスへ移行したい特定のレース記録などを選び、対応する形式(FIT形式が推奨されます)でパソコンなどに保存します。
その後、COROSのウェブサイトにログインし、「アクティビティを追加」といった項目から、保存しておいたデータファイルを一つずつインポートします。
この方法であれば、ガーミンで記録した特定のアクティビティを、カロスのプラットフォーム上で確認できるようになります。
なお、ガーミンには全データを一括で書き出す機能もありますが、書き出された大量のデータをカロス側で一括して取り込むことは難しいため、重要な記録に絞って個別に移行するのが現実的です。
方法2:Stravaを連携させてスムーズに乗り換える
やはり、こちらのケースでも「Strava」などの連携アプリを利用するのが最も簡単な方法と言えます。
ガーミンからカロスへの乗り換えを決めたら、まずは現在使用しているガーミンのアカウントがStravaに連携されていることを確認してください。
そして、新しく購入したカロスのウォッチを使い始める際に、同じStravaアカウントへ連携設定を行います。
この手順を踏むことで、ガーミンでの最後のトレーニングと、カロスでの最初のトレーニングの記録が、同じStravaアカウント上で切れ目なくつながります。
過去の膨大なデータを全て移すことはできませんが、トレーニングの継続性を保つ上では非常に有効な手段となります。
カロスとガーミンどちらがおすすめ?
これまで様々な角度から両ブランドを比較してきましたが、最終的に「カロスとガーミン、どちらが絶対的におすすめか」という問いに一つの答えを出すのは非常に困難です。
どちらのブランドも極めて優れた製品を開発しており、最適な一台はユーザーが何を最も重視するかによって大きく異なるからです。
要するに、あなたのランニングスタイルやライフスタイルが、選択の決め手となります。ここでは、それぞれのブランドがどのような方におすすめできるかを具体的に解説します。
カロスがおすすめな人
カロスは、以下のような価値観を持つ方に最適なパートナーとなるでしょう。
- ランニングのパフォーマンス向上を最優先にしたい方
-
余計な機能を削ぎ落とし、「走る」という行為に集中できるシンプルな設計は、記録更新を目指すシリアスなランナーの思考と一致します。軽量性も、長時間のレースでは大きなアドバンテージとなります。
- 充電の手間をできるだけ減らしたい方
-
圧倒的なバッテリー持続時間は、カロスを選ぶ非常に大きな動機になります。日々の充電を面倒に感じる方や、ウルトラマラソン、数日間にわたる登山など、充電が難しい環境で活動する方には絶大な安心感をもたらします。
- 優れた基本性能を、高いコストパフォーマンスで手に入れたい方
-
GPS精度や心拍計測といったランニングウォッチの核となる性能を、比較的リーズナブルな価格で体験したい方にとって、カロスは非常に賢い選択肢と考えられます。
ガーミンがおすすめな人
一方、ガーミンは次のようなニーズを持つ方に、最高の満足度を提供します。
- ランニングだけでなく、日々の健康管理にも活用したい方
-
Body Batteryや睡眠スコア、ストレスレベルといった詳細な健康指標は、日々のコンディションを整え、トレーニング効果を最大化するための強力なサポートになります。体調管理全体を一つのデバイスで完結させたい方に向いています。
- Suicaや音楽機能など、スマートウォッチとしての利便性を重視する方
-
ランニング中に音楽を聴いたり、走り終えた後にすぐ電車に乗ったりと、アクティビティと日常生活をシームレスにつなげたい方にとって、ガーミンの多機能性は大きな魅力です。
- 詳細なデータ分析や地図機能を駆使して楽しみたい方
-
フルカラーの地図を見ながら新しいトレイルコースを開拓したり、リアルタイムスタミナ機能でレース戦略を練ったりと、データや機能を活用すること自体を楽しめる方には、ガーミンの提供する深い世界がぴったりです。
これらの点を踏まえ、ご自身の使い方を具体的にイメージすることが、後悔のない選択につながります。
総括:カロスとガーミンの比較で分かる選び方
この記事で解説してきたカロスとガーミンの比較ポイントを、あなたの最適な一台を見つけるための選び方としてまとめます。
- 最終的な選択は自身のライフスタイルと何を最も重視するかで決まる
- カロスは「走る」に特化したアスリート志向のブランド
- ガーミンは日常でも活躍する多機能な総合力が魅力
- バッテリーの持続時間ではカロスが圧倒的に優位
- GPS精度は最新モデルなら両ブランドとも非常に高い
- コストパフォーマンスを最優先するならカロスが有力
- Suicaや音楽機能などスマートな機能はガーミンが充実
- 軽量性や長時間の着け心地ではカロスに分がある
- 詳細なカラー地図やナビ機能はガーミンの強み
- ブランドの歴史と実績ではガーミンがリード
- シンプルな操作性を求めるならカロスが扱いやすい
- 初心者には「PACE 3」か「Forerunner 165」が最初の候補
- 中級者には「PACE Pro」か「Forerunner 265」がおすすめ
- トレイルや登山ではバッテリーのカロスか、地図のガーミンかで選択
- 健康管理機能の豊富さではガーミンが優れている
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