ジラール・ペルゴの資産価値について知りたいと考えているものの、実際の評価や格付けがどの程度なのか、具体的な情報が見つからずにいませんか。
なぜ高いのかという価格の理由から、ロレックスとの比較、さらには「不人気でダサい」あるいは「壊れやすい」といったネガティブな噂まで、気になる点は多いかもしれません。
しかし、多くの芸能人が愛用している事実もあり、一体どのような人がつけてるブランドなのか、その実像は分かりにくいものです。
この記事では、そんなジラール・ペルゴの資産価値について、人気モデルの情報も交えながら、多角的に深く掘り下げていきます。
- ジラール・ペルゴの資産価値の全体像
- 他ブランドと比較した際のブランドの立ち位置
- 資産価値に影響を与える人気モデルと中古市場の動向
- 購入前に知っておくべき品質やメンテナンスの注意点
なぜ高い?ジラール・ペルゴの資産価値と評価
ジラール・ペルゴの資産価値を正しく知るには、まずブランドが持つ独自の立ち位置や評価の背景を理解することが不可欠です。
ここでは、他の有名ブランドとの比較や価格設定の根拠、そして一部で囁かれる評判の真相にも触れながら、その本質的な価値を多角的に解き明かしていきます。
ブランドの評価格付けと全体像
ジラール・ペルゴは、1791年創業という非常に長い歴史を誇るスイスの高級時計ブランドです。ヴァシュロン・コンスタンタンに次ぐほどの老舗であり、時計業界においては超一流として確固たる地位を築いています。
ただ、日本国内での一般的な知名度はロレックスやオメガほど高くなく、「知る人ぞ知る」玄人好みのブランドという側面を持っています。
このため、時計に深い知識を持つ愛好家やコレクターからの評価は極めて高い一方で、高級時計の初心者にとっては少し馴染みが薄いかもしれません。
ブランドの格付けとしては、パテック・フィリップやオーデマ・ピゲといった「雲上ブランド」に次ぐ実力派マニュファクチュールと位置づけられることが多いです。ムーブメントから自社で一貫製造する技術力や、歴史に裏打ちされた伝統と格式が、その高い評価を支えています。
したがって、ジラール・ペルゴは、単なる知名度や流行に左右されない、本質的な価値を理解する層から強く支持されるブランドであると考えられます。
ジラール・ペルゴとロレックスを比較した立ち位置
高級時計の資産価値を測る上で、ロレックスとの比較は避けて通れないテーマです。結論から言うと、ジラール・ペルゴの資産価値は、ロレックスと比較するとやや低い水準になる傾向があります。
資産価値の指標となる「換金率(リセールバリュー)」で見てみると、その違いは明確になります。換金率とは、定価に対して中古市場でどれくらいの価格で売却できるかを示す割合のことです。
ブランド名 | 換金率の目安 | 特徴 |
---|---|---|
ロレックス | 70%~100%超 | 圧倒的な知名度と需要により、非常に高い資産価値を維持。モデルによっては定価を超えることも珍しくない。 |
ジラール・ペルゴ | 30%~45% | 全体的な換金率はロレックスに及ばない。ただし、一部の人気モデルは50%近い換金率になることもある。 |
オメガ | 35%~55% | ロレックスに次ぐ人気ブランド。ジラール・ペルゴよりやや高い水準。 |
IWC | 45%前後 | 質実剛健なイメージで根強い人気。ジラール・ペルゴと同等かやや高い水準。 |
このように、ブランド全体の平均的な資産価値ではロレックスに軍配が上がります。
この主な理由は、世界的な知名度とそれに伴う圧倒的な需要の差です。ロレックスは高級時計の代名詞として誰もが知る存在ですが、ジラール・ペルゴは前述の通り、時計愛好家を中心としたニッチな市場で高く評価されています。
しかし、これはジラール・ペルゴの時計の品質が劣ることを意味するわけではありません。
むしろ、時計そのものの作り込みや技術力では決して引けを取らないにもかかわらず、中古市場では比較的手に入れやすい価格帯にある、と捉えることもできます。
なぜ高い?真のマニュファクチュールだから
ジラール・ペルゴの時計がなぜ高いのか、その理由はブランドが「マニュファクチュール」である点に集約されます。
マニュファクチュールとは、時計の心臓部であるムーブメントをはじめ、時計を構成する部品のほとんどを自社で一貫して設計・製造できるメーカーのことです。
多くの時計ブランドがムーブメント専門メーカーから供給を受ける中で、ジラール・ペルゴは創業以来、この困難な自社一貫生産体制を貫いています。これには、莫大な設備投資と、熟練した職人たちの高度な技術力が不可欠です。
自社開発ムーブメントの数々
ジラール・ペルゴは、その歴史の中で数々の画期的なムーブメントを開発してきました。
例えば、1969年にはスイスで初となるクオーツ時計の量産化に成功しています。
このとき、ジラール・ペルゴが定めたクオーツの周波数「32,768Hz」は、現在でも世界標準規格として採用されており、ブランドの技術的な先進性を示す好例です。
複雑機構へのこだわり
また、トゥールビヨンやクロノグラフといった複雑機構の開発においても、ジラ-ル・ペルゴは高い評価を得ています。
特に、3本のブリッジ(受け板)がムーブメントを支える「スリー・ゴールド・ブリッジ トゥールビヨン」は、ブランドのアイコンであり、機能美と芸術性を両立させた傑作として知られます。
不人気でダサいと言われる理由と実際の魅力
一部でジラール・ペルゴが「不人気」あるいは「ダサい」と評されることがありますが、これは主に2つの側面に起因すると考えられます。
知名度が圧倒的に低い
第一に、前述の通り、日本国内における一般的な知名度が低い点です。ロレックスやオメガのように誰もが知っているブランドではないため、時計に詳しくない層からは「よく知らないブランド=不人気」という短絡的なイメージを持たれがちです。
独特なデザイン性
第二に、その独特のデザイン性にあります。ジラール・ペルゴのデザインは、華美な装飾を抑えつつ、クラシカルな要素とモダンな感性を融合させた、落ち着きのあるものが中心です。
例えば、代表モデルの「ヴィンテージ1945」は、1940年代のアールデコ様式を基調とした角形時計であり、流行の最先端をいくデザインとは一線を画します。このような玄人好みのデザインが、一部からは「古臭い」「ダサい」と見えてしまう可能性があります。
しかし、これらの点は、見方を変えればそのままブランドの魅力となります。知名度に頼らず、時計本来の価値で勝負する姿勢は、真の時計愛好家にとって大きな魅力です。
また、流行に流されないタイムレスなデザインは、長く愛用するほどに味わいを増し、所有者の個性を引き立てます。
派手さはないものの、細部まで丁寧に作り込まれた時計は、見る人が見ればその良さが一目でわかる「いぶし銀」の魅力を放っているのです。
壊れやすい?品質に関する評判を検証
「ジラール・ペルゴの時計は壊れやすい」という評判を耳にすることがあるかもしれませんが、これは必ずしも正確な情報ではありません。この噂は、主に機械式時計全般の特性に対する誤解から生じている可能性が高いです。
機械式時計は、数百もの微細な部品が複雑に組み合わさって動く、非常に精密な機械です。そのため、電池で動くクオーツ時計と比較すれば、衝撃や磁気、水に対してデリケートであることは事実です。これはジラール・ペルゴに限った話ではなく、ロレックスやパテック・フィリップなど、すべての高級機械式時計に共通する特性です。
ジラール・ペルゴは、長年にわたり高品質な時計を製造してきたマニュファクチュールであり、その品質管理は非常に高い水準にあります。
熟練の職人が手作業で組み立て、厳しい検査基準をクリアした製品のみが出荷されています。
したがって、「ジラール・ペルゴだから特に壊れやすい」ということはありません。むしろ、適切な取り扱いと定期的なメンテナンス(オーバーホール)を怠らなければ、何世代にもわたって使い続けることが可能な、非常に堅牢で信頼性の高い時計であると言えます。
万が一、不具合が生じた場合でも、正規のアフターサービス体制が整っているため、安心して修理を依頼することが可能です。
モデル別に探るジラール・ペルゴの資産価値
ジラール・ペルゴの資産価値は、どのモデルを選ぶかによって大きく変わります。
このセクションでは、より具体的に「ロレアート」や「ヴィンテージ1945」といった個別の人気モデルに焦点を当てます。
それぞれの評価や中古市場での動向、所有者のイメージなどを詳しく解説していきます。
中古市場でも評価される人気モデル
ジラール・ペルゴの資産価値は、モデルによって大きく異なります。ブランド全体としての換金率は、上述したとおりで30%~45%程度ですが、特定の人気モデルはそれを上回る高い評価を受けています。
中古市場で特に人気があり、資産価値が比較的高いとされる代表的なモデルは以下の通りです。
ロレアート (LAUREATO)
近年、最も注目を集めているのがこの「ロレアート」です。1975年に誕生したラグジュアリースポーツウォッチで、八角形のベゼルとケース一体型のブレスレットが特徴です。
昨今の世界的なラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポ)人気の高まりを受け、その需要は急増しています。オーデマ・ピゲのロイヤルオークやパテック・フィリップのノーチラスよりは比較的手頃な価格帯であることも、人気に拍車をかけています。
ヴィンテージ1945 (VINTAGE 1945)
ブランドのフラッグシップモデルであり、最も象徴的なコレクションです。1945年製のアールデコ調の角形時計を復刻したデザインは、流行に左右されない普遍的な魅力を持ち、時計愛好家から絶大な支持を得ています。
このモデルの評価はブランド全体の評価に直結するとも言われ、安定した資産価値を誇ります。
1966
ジラール・ペルゴが誇る高い技術力を体現するクラシックなコレクションです。超薄型のケースに収められたエレガントなデザインは、フォーマルな場面で活躍します。
派手さはありませんが、時計本来の美しさと機能性を追求したモデルとして、根強いファン層を持っています。
ジラール・ペルゴ1945の評価と換金率
「ヴィンテージ1945」は、ジラール・ペルゴの資産価値を語る上で欠かすことのできない最重要モデルです。このモデルは、時計愛好家やコレクターの間で特に高く評価されており、ブランドの他のモデルと比較しても優れた換金率を維持しています。
具体的には、「ヴィンテージ1945」の換金率は45%~50%程度に達することがあります。これは、ブランド全体の平均換金率(30%~45%)を大きく上回る数値であり、IWCなどの他の高級ブランドの平均的なモデルと比較しても遜色のない、優秀な資産価値を持つことを示しています。
例えば、定価130万円のモデルが、中古市場で60万円程度の価格で取引されるケースも存在します。
この高い評価の背景には、以下のような理由が挙げられます。
- 象徴的なデザイン: 直線を基調としたアールデコスタイルの角形ケースは、他のどのブランドにもない独自の存在感を放っています。このタイムレスなデザインは、一過性の流行に影響されず、長きにわたり愛され続けてきました。
- ブランドの顔: このモデルはジラール・ペルゴのフラッグシップであり、「ヴィンテージ1945」の評価がそのままブランドの評価に繋がるほど、重要な位置を占めています。
- 高い装着感: ケースの裏側は、手首に沿うように緩やかなカーブを描いており、見た目の印象とは裏腹に非常に快適な装着感を実現しています。この細やかな配慮も、愛好家から高く評価されるポイントです。
以上の点から、「ヴィンテージ1945」はジラール・ペルゴの中で最も安定した資産価値を持つモデルの一つであり、将来的な価値を見据えて購入する際にも有力な選択肢になると考えられます。
なぜロレアートは買えないのか?
近年、「ロレアートが買えない」という声が多く聞かれるようになりました。この背景には、世界的なラグジュアリースポーツウォッチ、通称「ラグスポ」のブームが大きく関係しています。
2017年に現行モデルがレギュラーコレクション化されて以来、「ロレアート」の人気は急上昇しました。その理由はいくつか考えられます。
他ブランドのラグサポの異常な高騰の影響
まず、オーデマ・ピゲの「ロイヤルオーク」やパテック・フィリップの「ノーチラス」といった、ラグスポの頂点に君臨するモデルたちの価格が異常なまでに高騰し、入手が極めて困難になったことが挙げられます。
時計愛好家たちは、それらに代わる高品質でデザイン性の高いラグスポを求めるようになりました。
2大ブランドより現実的な価格設定
そこで白羽の矢が立ったのが「ロレアート」です。八角形ベゼルやケース一体型ブレスレットといったラグスポの王道デザインを踏襲しつつ、ジラール・ペルゴならではの洗練された仕上げと高い品質を備えています。
それでいて、前述の2大ブランドよりは現実的な価格設定であったため、需要が一気に集中しました。この結果、正規販売店では入荷待ちが常態化し、店頭に商品が並ぶことはほとんどなくなりました。
中古市場でも価格は上昇を続けており、「欲しくても買えない」という状況が生まれています。生産本数が需要に全く追いついていないことが、入手困難の直接的な原因です。
ジラール・ペルゴの中古品を購入する際の注意点
ジラール・ペルゴの時計を中古市場で購入することは、生産終了モデルや入手困難な人気モデルを手に入れるための有効な手段です。
しかし、価値ある一本を賢く手に入れるためには、いくつかの注意点があります。
時計の状態をしっかり見極める
最も重要なのは、時計の状態を丁寧に見極めることです。ケースやブレスレットに大きな傷や打痕がないか、針や文字盤に劣化が見られないかを確認します。
特に、ブレスレットタイプの時計の場合は、コマの数も重要です。前の所有者が調整で外したコマが全て揃っているかを確認しましょう。
コマが欠品していると、後から追加で購入する必要が生じたり、売却時の価値が下がったりする可能性があります。
付属品の有無を確認する
次に、付属品の有無を確認することが大切です。特に重要なのが、「ギャランティ(保証書)」と「オリジナルの箱」です。
ギャランティは、その時計が正規品であることを証明する最も重要な書類であり、再発行はできません。これが揃っているかどうかで、買取価格が数万円単位で変わることもあります。
過去のメンテナンス履歴
また、機械式時計の場合は、過去のメンテナンス履歴、特にオーバーホールがいつ行われたかを確認できるとより安心です。
履歴が不明な場合は、購入後にオーバーホールが必要になる可能性も念頭に置いておくとよいでしょう。信頼できる販売店を選び、これらの点をしっかりと確認することが、後悔のない購入に繋がります。
つけてる人や愛用芸能人から見るブランドの格
ジラール・ペルゴをどのような人がつけているのかを知ることは、ブランドのイメージや格を理解する上で参考になります。
このブランドは、流行に流されず、自身のスタイルを持つ、成熟した大人に選ばれる傾向があります。時計に対する深い知識とこだわりを持つ「時計通」に好まれるブランドと言えるでしょう。
日本国内の愛用芸能人を見てみると、そのイメージはより明確になります。
- 水谷豊さん(俳優): 人気ドラマ『相棒』などで、「ヴィンテージ1945」を着用されていることで知られています。知的で落ち着いたキャラクターに、クラシカルな角形時計が非常によくマッチしています。
- 上田晋也さん(お笑い芸人): 多くの時計を所有する愛好家として有名ですが、ジラール・ペルゴのワールドタイマーモデルを愛用されています。彼の知的なイメージと、複雑機構を搭載した時計が結びつきます。
- ケンドー・コバヤシさん(お笑い芸人): こちらも時計好きとして知られ、「ロレアート」の限定モデルを愛用。ファッション感度が高く、個性的なアイテムを選ぶ彼のスタイルに、モダンなラグスポが映えます。
海外では、元フランス大統領のサルコジ氏や俳優のピアース・ブロスナン氏など、社会的地位の高い人物や個性派の著名人に愛用されています。
これらの例から、ジラール・ペルゴは「成功者」「知的」「個性的」「本物志向」といったキーワードで語られる層に支持されていることが分かります。
見せびらかすためのステータスではなく、自己満足度の高い、真の価値を知る大人のための時計、というブランドの格が浮かび上がってきます。
総括:今後のジラール・ペルゴの資産価値
ここまで、ジラール・ペルゴの資産価値について、ブランドの評価や格付け、ロレックスとの比較、そして「ロレアート」や「ヴィンテージ1945」といった人気モデルの視点から詳しく解説してきました。
最後に、この記事で押さえておきたい重要なポイントを、改めて以下に整理してまとめます。
- ジラール・ペルゴは1791年創業の歴史あるマニュファクチュール
- 時計業界での評価は非常に高いが、一般的な知名度はロレックスに及ばない
- 資産価値の指標となる換金率は全体で30%~45%が目安
- ロレックスやオメガと比較すると資産価値はやや控えめな傾向
- 時計の品質や技術力が低いわけではなく、需要と知名度の差が主な要因
- 「ヴィンテージ1945」は換金率45%~50%と高い資産価値を持つ代表モデル
- 「ロレアート」はラグスポ人気で需要が急増し、入手困難な状況が続いている
- 「なぜ高いか」の理由は自社一貫生産体制と卓越した技術力にある
- 「不人気でダサい」という評価は知名度の低さと玄人好みのデザインに起因
- 「壊れやすい」は誤解で、品質は高く適切なメンテナンスが不可欠
- 愛用者には知的で本物志向の著名人が多い
- 中古で購入する際は付属品の有無と時計の状態確認が鍵となる
- 資産価値を維持するためには4~5年に一度のオーバーホールが推奨される
- 流行に左右されないため、長期的に安定した価値を保つ可能性がある
- 今後の資産価値はロレアート人気やブランドの戦略によって変動する可能性がある
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