IWCのポルトギーゼは、その洗練されたデザインと卓越した技術力で多くの時計愛好家を魅了する名作です。
しかし、購入を検討する中で「ポルトギーゼを購入して後悔した」という言葉を聞き、不安に感じている方もいるかもしれません。
実際に、人気ランキングでは常に上位に位置し、その上品さから女性受けも良いと評判ですが、なぜ「買ってはいけない」といった声や、「後悔する」と言われる理由が存在するのでしょうか。
この記事では、IWCポルトギーゼの購入で失敗や後悔をしないために、知っておくべき情報を網羅的に解説します。客観的なデータと多角的な視点から、ポルトギーゼが持つ本当の価値と、購入前に把握すべき注意点を明らかにしていきます。
- ポルトギーゼが後悔すると言われる具体的な理由
- 客観的なデータから見るポルトギーゼの本当の評価
- サイズやモデル選びで後悔しないためのポイント
- 中古市場を含めた賢い購入方法
ポルトギーゼ購入で後悔する人の共通点
後悔すると言われる理由とは
IWCポルトギーゼは「最高の時計」と称賛されることが多い一方で、一部で購入後に「後悔した」という声が聞かれるのも事実です。
しかし、これは時計そのものの品質に問題があるわけではなく、多くの場合、購入前の期待と実際の使用感との間に生じるギャップが原因です。
その背景には、主に3つの具体的な要因が考えられます。これらの点を事前に把握しておくことが、後悔のない時計選びの第一歩となります。
デザインとライフスタイルのミスマッチ
一つ目の要因は、オーナーのライフスタイルとポルトギーゼの持つエレガントなデザインとが合わないケースです。
ポルトギーゼは、ビジネスシーンでのスーツスタイルや、休日のジャケットスタイルなど、洗練された装いに合わせることでその魅力が最大限に引き立ちます。
静かなカフェで読書をしたり、フォーマルなレストランでディナーを楽しんだりする場面では、まさに完璧なパートナーとなるでしょう。
しかし、これを逆に言えば、活動的なライフスタイルを送る方にとっては、その上品さが少し場違いに感じられる可能性があります。
例えば、キャンプやジムでのトレーニング、マリンスポーツといったシーンでは、より堅牢性や防水性を重視した時計が適しています。
IWCであれば、本格ダイバーズウォッチの「アクアタイマー」や、武骨で機能的な「パイロット・ウォッチ」の方が、気兼ねなく使えると感じるかもしれません。
自身の主な活動領域と時計の個性が一致しないと、次第に「時計に着られている」という感覚に陥り、後悔につながることがあります。
想定外だった高額なメンテナンス費用
二つ目は、購入後の維持費、特にメンテナンス費用を想定していなかった場合です。
IWCのような高級機械式時計は、自動車が定期的な車検を必要とするように、その精密な機構を長期間にわたって正常に保つために、3年から5年に一度のオーバーホール(分解掃除)が推奨されます。
これは、ムーブメント内部の潤滑油の劣化や、微細な部品の摩耗を防ぐために不可欠な作業です。
この費用は決して安価ではありません。
購入時の価格にばかり目が行き、このランニングコストを全く計算に入れていないと、いざメンテナンスの時期が来たときに「こんなはずではなかった」と経済的な負担を感じ、時計の所有自体を後悔する原因になってしまいます。
時計の購入は、本体価格だけでなく、長期的な維持費まで含めたトータルコストで考える視点が大切です。
時計の持つ繊細な特性への理解不足
三つ目は、ポルトギーゼが持つ時計としての特性、特にその繊細さへの理解が不足しているケースです。
ポルトギーゼは、その成り立ちやデザインから、スポーツウォッチというよりもドレスウォッチに近い性格を持っています。
そのため、多くのモデルで防水性能は3気圧(日常生活用防水)に設定されています。これは汗や雨、手洗いの際のわずかな水滴には耐えられますが、時計を着けたままシャワーを浴びたり、蛇口から出る強い水流に直接当てたりすることはできません。
また、鏡のように磨き上げられたポリッシュ仕上げのケースや、美しく繊細なリーフ針は、ポルトギーゼの魅力の核ですが、これらは深い傷が付くと非常に目立ちます。タフな使用で付いた傷が「味」や「勲章」として語られる時計とは異なり、ポルトギーゼの場合はその美観を損ねてしまうことになります。
ただし、これはポルトギーゼが「脆弱」だという意味ではありません。IWCの時計作りは「質実剛健」と評されるように、ムーブメントや外装の基本的な作りは非常に堅牢です。
ここで言う「繊細さ」とは、あくまで高級美術品のような側面を持つ精密機械として、丁寧な扱いが求められる、ということです。
この特性を理解せず、あらゆる場面でタフに使い倒そうとすると、傷や故障のリスクを高め、後悔につながる可能性があります。
ポルトギーゼは大きすぎると感じる?
ポルトギーゼの購入を検討する際、多くの方が懸念するのがそのケースサイズです。ポルトギーゼはサイズ感に関する不安は大きいと考えられます。
実際に、ポルトギーゼ・クロノグラフのケース径は41mm前後、7デイズモデルの「ポルトギーゼ・オートマティック」は42.3mmと、一般的な日本人男性の腕にはやや大きめのサイズに分類されます。
特にスーツの袖口に収まるかを気にする方にとっては、この大きさは無視できないポイントです。
しかし、ポルトギーゼがただ大きいだけの時計ではない点も理解する必要があります。デザイン上の特徴として、ベゼル(文字盤の周りの縁)が非常に薄く設計されています。
これにより、ケースサイズに対して文字盤の占める面積が広くなり、視覚的には実際の寸法以上に大きく、そして開放的に見える効果があります。この計算されたデザインが、ポルトギーゼ特有のエレガントな存在感を生み出しているのです。
また、時計の写真は手元で接写されることが多く、遠近法の効果で実物以上に大きく写りがちです。実際に着用した姿を少し離れた位置から見ると、時計だけが不自然に浮き上がることなく、全身のバランスに馴染むことも少なくありません。
とはいえ、腕の太さや体格によって似合う時計のサイズは人それぞれです。
したがって、購入後に「大きすぎた」と後悔しないためには、必ず正規販売店などで実際に試着し、ご自身の腕に乗せた際のバランスや袖口との干渉具合を確認することが最も確実な方法です。
繊細で壊れやすいという噂は本当か
ポルトギーゼに対して「繊細で壊れやすい」というイメージを持つ方がいるかもしれません。これは、ある意味では正しく、ある意味では誤解を含んでいます。
防水性能が3気圧と高くない
まず、ポルトギーゼの多くのモデルは防水性能が3気圧(30m)に設定されています。
これは「日常生活用防水」にあたり、汗や雨、手洗いの際の水しぶき程度であれば問題ありませんが、時計を着けたままシャワーを浴びたり、ウォータースポーツをしたりすることは想定されていません。
そのため、G-SHOCKのようなタフネスウォッチや、300m防水を誇る本格ダイバーズウォッチと同じ感覚で扱うと、浸水による故障の原因となります。
この点が、「繊細である」というイメージに繋がっていると考えられます。
洗練されたデザインの為タフさが想像できない
また、ポルトギーゼの洗練されたデザインも繊細で壊れやすいのでは言われる要因の一つです。
ポリッシュ(鏡面)仕上げが施されたケースや、美しいリーフ針、立体的なアプライドインデックスは、深い傷が付くと非常に目立ちやすく、時計の美観を損ねてしまいます。
パネライのように、タフな使用で付いた傷が「味」として評価される時計とは性格が異なります。
しかし、これはポルトギーゼが「壊れやすい」ことを意味するわけではありません。IWCは「質実剛健」と評されるスイスブランドであり、そのムーブメントや外装の作りは非常に堅牢で信頼性が高いです。
特に、2019年末以降のクロノグラフに搭載されている自社製ムーブメントCal.69355は、厳しい基準をクリアした耐久性の高い設計です。
要するに、ポルトギーゼは「壊れやすい」のではなく、「デリケートな扱いが求められるドレス寄りの時計」と理解するのが適切です。
その特性を理解し、TPOに合わせて使用すれば、長年にわたって美しい状態と高い精度を保ち続けることができるでしょう。
IWCは買ってはいけない時計なのか?
IWCを買ってはいけないという強い言葉を見かけると、ブランド自体に何か問題があるのかと不安になるかもしれません。
しかし、これは全くの誤解であり、IWCは時計愛好家から非常に高く評価されている優良ブランドです。IWCが「買ってはいけない」と言われる場合、その背景にはいくつかの文脈が考えられます。
知る人ぞ知るブランドの知名度
一つは、ブランドの立ち位置です。IWCはロレックスやオメガほど一般的に知られているわけではなく、「知る人ぞ知る」という側面があります。
そのため、時計に詳しくない人にも一目で分かるステータス性を最優先する方にとっては、期待と異なるかもしれません。
工業製品としての機能美として評価
また、ブランドイメージも関係しています。IWCはドイツ国境に近いシャフハウゼンで創業したことから、華やかさや煌びやかさよりも、機能美を追求した「工業製品」としての美しさを持つと評されます。
リッチで華やかな時計を求める方には、IWCの質実剛健なスタイルが合わないと感じられる可能性があります。
150年以上の歴史ある実力あるブランド
しかし、ブランドの実力に目を向けると、その評価は一変します。IWCは150年以上の歴史を持ち、その間にポルトギーゼやパイロットウォッチといった数々の名作を生み出してきました。
技術力も高く、製造した全ての時計の永久修理を請け負うと公言している数少ないブランドの一つです。このことは、自社製品に対する絶対的な自信と、ユーザーに対する誠実な姿勢の表れです。
これらの理由から、IWCは資産価値の面でも安定しており、「10年後も価値が下がらない腕時計ブランド」として専門家からも名前が挙がります。
したがって、「IWCは買ってはいけない」のではなく、「自身の求める価値観やイメージと合うかを慎重に判断すべきブランド」と捉えるのが正しいでしょう。
中古で買う際の注意点とメリット
IWCポルトギーゼは、中古市場でも非常に人気が高く、活発に取引されています。
中古での購入は、賢く手に入れるための一つの有効な選択肢ですが、後悔しないためにはメリットと注意点の両方を把握しておくことが大切です。
メリット
最大のメリットは、価格面です。特に、生産が終了した旧型モデルは、現行モデルに比べて手頃な価格で見つけることができます。
例えば、ポルトギーゼ・クロノグラフの旧型(Ref. IW3714系)は、信頼性の高いETA7750ベースのムーブメントを搭載しており、今なお多くのファンに支持されています。流通量が豊富で、状態の良い個体を比較的手に入れやすいのも魅力です。
また、現在は製造されていない特別な文字盤カラーや限定モデルなど、新品では手に入らない一本に出会える可能性があるのも中古市場ならではの楽しみです。
注意点
中古で購入する際に最も注意すべきは、時計のコンディションです。特に、定期的なオーバーホールが行われてきたかは、将来のメンテナンス費用に大きく影響します。購入時には、付属品として保証書や修理明細が揃っているかを確認することが望ましいです。
また、外装の傷や磨きの状態もチェックすべきポイントです。過度な研磨(ポリッシュ)が繰り返された個体は、ケース本来のシャープなエッジが丸くなってしまっていることがあります。
信頼できる販売店は、時計の状態を正直に説明してくれるはずです。実績があり、購入後の保証やメンテナンス体制が整っている専門店を選ぶことが、後悔しないための鍵となります。
新旧クロノグラフの比較
中古市場で特に人気の高いポルトギーゼ・クロノグラフについて、旧型と現行モデルの主な違いを表にまとめます。
項目 | 旧型 (例: IW371446) | 現行型 (例: IW371605) |
---|---|---|
ムーブメント | Cal.79350 (ETA7750ベース) | Cal.69355 (IWC自社製) |
ケースバック | ソリッドバック | シースルーバック |
パワーリザーブ | 約44時間 | 約46時間 |
バックル | 片開き式フォールディングバックル | 両開き式フォールディングバックル |
このように、現行型は自社製ムーブメントを搭載し、その動きを裏蓋から鑑賞できるという大きな魅力があります。一方で、旧型は完成された汎用ムーブメントによる安定性と、比較的抑えられた価格が魅力です。
どちらを選ぶかは、個人の価値観や予算によって異なりますが、これらの違いを理解した上で選ぶことが重要です。
ポルトギーゼで後悔しないための賢い選び方
最強と称されるポルトギーゼの魅力
IWCポルトギーゼが、一部の時計愛好家から単なる人気モデルというだけでなく「最強の実用時計」とまで称賛されるのには、はっきりとした理由が存在します。
その魅力の根源は、ドラマチックな歴史、時代に左右されないデザイン、そして確かな技術力という3つの要素が、見事なバランスで融合している点に求められます。それぞれを詳しく見ていきましょう。
物語性のあるユニークな出自
ポルトギーゼの魅力の一つは、その誕生にまつわる物語性です。1939年、まだ腕時計の精度が発展途上であった時代に、2人のポルトガル人商人がIWCに寄せた依頼がすべての始まりでした。
その内容は「荒れる大西洋の航海においても信頼できる、マリンクロノメーター級の極めて高精度な腕時計が欲しい」という、当時の技術水準では非常に困難なものでした。
この難題に対し、IWCは一般的な腕時計用の小さなムーブメントではなく、当時すでに高い精度と耐久性が確立されていた懐中時計用の大型ムーブメントを腕時計のケースに収めるという、大胆かつ独創的な方法で応えます。この大きな心臓部を搭載するためにケースも大型化しましたが、これが結果的に、優れた視認性と安定した精度を両立させるというポルトギーゼの不変の個性となりました。
このプロフェッショナルの厳しい要求から生まれたという背景が、ポルトギーゼに単なる時計以上の、語るべき深い奥行きを与えています。
時代に左右されない完成されたデザイン
ポルトギーゼのデザインは、一目見ただけでそれと分かる強い個性を持ちながら、決して飽きが来ない普遍的な美しさを湛えています。その構成要素は、どれもが計算し尽くされています。
まず、文字盤の主役であるアラビア数字のインデックス。多くのドレスウォッチが採用するシンプルなバーインデックスとは一線を画し、クラシカルな優雅さと高い視認性を両立させています。
次に、植物の葉を模した優美なリーフ針は、時計の表情に柔らかさと品格を与えます。そして、これらの要素をすっきりと見せているのが、極限まで細く絞られたベゼルの存在です。
これにより文字盤の面積が最大限に広がり、実際のケースサイズ以上の開放感と存在感が生まれます。クロノグラフモデルでさえ、インダイヤルを12時と6時の位置に縦に並べることでクラシックなシンメトリーを保っており、スポーティーさの中に知性を感じさせます。
この唯一無二のデザインバランスにより、ネイビースーツをまとったビジネスシーンから、白シャツにデニムを合わせた休日のカジュアルスタイルまで、あらゆる服装に自然に溶け込む驚異的な汎用性を実現しています。
信頼と進化を続けるIWCの技術力
美しい外観を支えているのは、IWCが誇る質実剛健な技術力です。ポルトギーゼは長年にわたり、時計業界で高い評価を得てきた汎用ムーブメントETA7750をベースに、IWCが独自の厳しい基準で徹底的に改良を加えたキャリバーを搭載し、その信頼性を盤石なものとしてきました。
そして近年、時計業界全体の自社製ムーブメントへの移行という大きな流れの中で、IWCはその技術力をさらに進化させます。ポルトギーゼ・クロノグラフには、堅牢な自社製ムーブメントCal.69355を搭載。
また、3針モデルの「オートマティック」には、独自の高効率な巻き上げ機構であるペラトン式を採用し、摩耗しやすいパーツにセラミックを用いることで耐久性を飛躍的に高めたCal.82200などを搭載しています。
さらに上位モデルには、7日間ものロングパワーリザーブを誇るCal.52000系も用意されています。
このように、伝統的な設計に安住することなく、常に実用的な進化を追求し続ける姿勢こそ、IWCの技術力の核心です。
見た目の美しさだけでなく、時計という精密機械としての信頼性が極めて高いこと。これもまた、ポルトギーゼが最強と称される大きな要因となっています。
IWC人気ランキングでの立ち位置
個人の評価だけでなく、市場における客観的な人気を知ることは、後悔しない時計選びの重要な指標となります。
その点において、ポルトギーゼはIWCの中でも常にトップクラスの人気を誇るコレクションです。
IWCの売り上げランキングは二分されている
多くの高級腕時計専門店の売上ランキングを見ると、IWCでは「パイロット・ウォッチ」コレクションと「ポルトギーゼ」コレクションが人気を二分している状況が分かります。
スポーティーで武骨な魅力を持つパイロット・ウォッチに対し、ポルトギーゼは知的でエレガントな魅力を代表する存在として、確固たる地位を築いています。
ポルトギーゼ・クロノグラフ
特に人気が高いのは、やはり「ポルトギーゼ・クロノグラフ」です。1998年の登場以来、ほとんどデザインを変えずに愛され続けてきたその完成度は、まさにIWCの顔と言えるでしょう。
近年では、ブルーの針とインデックスが爽やかな印象を与えるRef.IW371605や、シルバーの文字盤にゴールドの針を合わせたクラシックなRef.IW371445などが、安定してランキング上位に名を連ねています。
ポルトギーゼ・オートマティック 40
また、よりシンプルなモデルを好む層からは「ポルトギーゼ・オートマティック 40」も支持を集めています。
初代モデルのデザインを色濃く受け継いだこのモデルは、ポルトギーゼの本質的な魅力を凝縮しており、Ref.IW358304(青針)やRef.IW358303(金針)が人気です。
ポルトギーゼの女性受けは良いのか
腕時計は自己表現のツールであると同時に、他者、特に異性からどう見られるかを気にする方も少なくありません。その点で、IWCポルトギーゼは女性から非常に高く評価される時計として知られています。
知的で上品なデザインが好まれる
ポルトギーゼが女性受けする最大の理由は、その知的で上品なデザインにあります。
無駄を削ぎ落としたシンプルな文字盤、優雅なリーフ針、そしてクリーンな印象を与えるカラーリングは、「清潔感」や「品格」といった、多くの女性が好意的に捉える要素を備えています。
着用している男性に対して、「落ち着きのある知的な大人」「仕事ができそう」「センスが良い」といったポジティブな印象を与えます。
女性受けの良いカラー
特に人気が高いカラーは、シルバーの文字盤に青い針を組み合わせたモデルです。この配色は爽やかさと知性を両立させており、スーツスタイルからきれいめなカジュアルまで幅広くマッチします。
また、ブラックの文字盤はよりシックで落ち着いた印象を与え、大人の男性の風格を演出します。
トレンド重視の女性受けは評価が異なる
ただし、ポルトギーゼはあくまでクラシックな時計であり、過度に華やかだったり、トレンドを追いかけたりするデザインではありません。
そのため、そうしたスタイルを好む方からの評価は異なる可能性があります。
とはいえ、TPOをわきまえた大人の男性の腕元を飾る時計として、ポルトギーゼが多くの女性から好印象を持たれることは間違いないでしょう。
ポルトギーゼ オートマティック 40という選択
「ポルトギーゼは欲しいけれど、クロノグラフは少し大きいかもしれない」あるいは「もっとシンプルなデザインが好きだ」と感じる方にとって、「ポルトギーゼ・オートマティック 40」はまさに理想的な選択肢となります。
このモデルは、1939年に誕生した初代ポルトギーゼ(Ref.IW325)のデザインを現代に甦らせた、コレクションの原点回帰とも言える一本です。最大の特徴は、6時位置に配置されたスモールセコンド。時間を刻む秒針が独立して配置されることで、文字盤全体が非常にクラシックで落ち着いた表情を見せます。
ケースサイズは直径40.4mm、厚さ12.3mmと、クロノグラフモデル(直径41mm、厚さ13mm)と比較してわずかに小ぶりで薄く設計されています。この絶妙なサイズ感は、腕への収まりが良く、特にジャケットやシャツの袖口にスムーズに収まるため、ビジネスシーンでの使いやすさは格別です。
搭載されているムーブメントは、IWC自社製のCal.82200です。IWC独自の高効率な自動巻き機構「ペラトン式」を採用し、摩耗しやすいパーツにはセラミックを使用することで、約60時間のパワーリザーブと高い耐久性を両立しています。
シースルーバック仕様のため、この美しいムーブメントの動きをいつでも鑑賞できるのも所有する喜びを高めてくれます。
クロノグラフのスポーティーさとは異なる、純粋な時計としての美しさと、より快適な装着感を求めるなら、「ポルトギーゼ・オートマティック 40」は後悔のない、非常に満足度の高い選択となるはずです。
ポルトギーゼに38mmモデルは存在する?
ポルトギーゼのサイズ感を懸念する方の中には、38mm程度のモデルはないかと探す方もいるかもしれません。一般的な日本人男性の腕には38mm前後の時計が馴染みやすいと言われているため、自然な疑問です。
先に答えを述べると、現在のIWCのラインナップに「ポルトギーゼ」コレクションとして38mm径のモデルは存在しません。
ポルトギーゼは、その誕生の経緯から大きな懐中時計用ムーブメントを搭載することをアイデンティティとしており、40mmを下回るモデルは基本的に作られていません。
では、IWCで38mm前後のエレガントな時計を探すことはできないのでしょうか。答えは「いいえ」です。IWCには他のコレクションに、そのサイズ感に合致する素晴らしいモデルが存在します。
ポートフィノ コレクション
最も代表的なのは「ポートフィノ」コレクションです。特に「ポートフィノ・オートマティック」は、ケース径39mmや40mmのモデルがあり、ポルトギーゼと同様にクラシックで洗練されたデザインが魅力です。
よりドレスウォッチとしての性格が強く、シンプルなバーインデックスとリーフ針が上品な腕元を演出します。
パイロット・ウォッチ コレクション
また、IWCのもう一つの顔である「パイロット・ウォッチ」コレクションに目を向けるのも良いでしょう。
例えば、現在は生産終了していますが、「マーク16(Ref.IW325501)」はケース径が39mmで、中古市場で根強い人気を誇ります。
視認性を追求した機能的なデザインは、ポルトギーゼとはまた違った魅力があります。
まとめ:情報収集すればポルトギーゼで後悔はない
IWCポルトギーゼは、その圧倒的な魅力から多くの人々を惹きつけますが、購入後に後悔しないためには、その特性を正しく理解することが不可欠です。
この記事で解説したポイントを改めてまとめます。
- ポルトギーゼはIWCで最も成功し、高い人気を誇るコレクションである
- 後悔の主な理由は「サイズ感」「維持費」「繊細さ」に関する事前の理解不足
- ケース径は40mm以上と大きめだが、薄いベゼルによりデザイン的に洗練されている
- 実際の装着感は体格によるため、購入前の試着が最も重要
- 防水性は3気圧と高くなく、タフな環境での使用には向かない
- 「壊れやすい」は誤解だが、デリケートな扱いは必要
- 定期的なオーバーホール費用(数万円~)を予算に入れておくことが大切
- 「買ってはいけない」は全くの誤解で、IWCは技術力も歴史も備えた優良ブランド
- ブランド価値は高く、資産性やリセールバリューも安定している
- 知的で上品なデザインは女性受けも非常に良い
- 人気ランキングでは常に上位に入り、市場での評価は確立されている
- サイズが気になるなら40.4mm径の「ポルトギーゼ・オートマティック 40」が最適
- ポルトギーゼに38mmモデルは存在しないが、IWCの他コレクションに選択肢がある
- 中古市場は活発で、旧型モデルを手頃な価格で探す楽しみもある
- 中古購入時はコンディションの確認と信頼できる販売店選びが鍵となる
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これらの情報を踏まえ、ご自身のライフスタイルや価値観と照らし合わせることで、IWCポルトギーゼがあなたにとって最高のパートナーとなり得るかが見えてくるはずです。十分な情報収集こそが、後悔のない時計選びの第一歩です。