チューダーとオメガ、どっちが買い？後悔しない選び方を徹底比較

高級腕時計の世界で、常に比較の対象となるチューダーとオメガ。どちらも魅力的なブランドですが、「自分にとって本当に買うべきなのはどっちだろう？」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

チューダーは恥ずかしいのでは、という不安や、逆につけてる人のイメージが気になるという声も耳にします。また、時計を資産として考えた際の資産価値や、将来的なリセールバリューも重要な判断基準です。

この記事では、そのような悩みを解消し、後悔しない選び方を見つけるお手伝いをします。

客観的なデータと評判を基に、あなたに最適な一本を導き出すためのタイプ別診断まで、徹底的に解説していきます。

チューダーかオメガどっち？5つの視点でブランドを徹底比較

ロレックスとの関係性から紐解く歴史

チューダーとオメガの比較を始めるにあたり、まず押さえておくべきは、チューダーとロレックスの深い関係性です。

チューダーは1926年、ロレックスの創業者であるハンス・ウィルスドルフによって設立されました。その目的は、ロレックスの技術と信頼性を維持しつつ、より手頃な価格の腕時計を提供し、市場を拡大することでした。

このため、初期のチューダーには、ロレックスと同じオイスターケースやリューズが使用されるなど、多くの共通点が見られました。ムーブメントに関しては、ロレックスが自社製にこだわる一方、チューダーはETA社などの信頼性が高い汎用ムーブメントを採用することでコストを抑え、高いコストパフォーマンスを実現していたのです。

この歴史的背景から、チューダーは「ロレックスの弟分」や、時には「廉価版」と見られることがありました。

一方、オメガは1848年にスイスで創業した、独立した歴史を持つ老舗ブランドです。創業以来、精度の高さを追求し続け、1932年からはオリンピックの公式タイムキーパーを務めるなど、世界的なイベントでその技術力を証明してきました。

さらに、1969年に人類初の月面着陸に携行された「スピードマスター」の逸話は、オメガの歴史を象徴する出来事としてあまりにも有名です。

このように、チューダーがロレックスという巨人の存在を前提に成長してきたのに対し、オメガは独自の道を歩み、時計史に数々の金字塔を打ち立ててきました。この出自の違いが、両ブランドの現在のイメージや立ち位置を理解する上で、非常に重要な鍵となります。

世間でのリアルなブランド格付けを比較

腕時計の世界における「格付け」は、歴史、技術力、ブランドイメージ、市場での評価など、様々な要素から総合的に判断されます。チューダーとオメガをこの観点から比較すると、一般的にはオメガの方が上位に位置づけられることが多いです。

評価項目	オメガ	チューダー
創業年	1848年	1926年
世界的な知名度	非常に高い	高い（近年急上昇）
技術的アイコン	コーアクシャル、マスタークロノメーター	自社製ムーブメント、ペラゴス
主な実績	月面着陸、オリンピック公式計時	フランス海軍などに採用
価格帯（主力）	約70万円～150万円	約50万円～80万円

オメガは、世界三大時計ブランド（パテックフィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタン）に次ぐ「高級実用時計」の筆頭格として、ロレックスと並び称される存在です。長い歴史と数々の偉業に裏打ちされたブランド力は絶大で、時計に詳しくない人でも知っているほどの高い知名度を誇ります。

対するチューダーは、ここ10年ほどでブランドイメージを劇的に向上させ、評価を上げてきました。かつての「ロレックスの廉価版」というイメージを払拭し、独自のデザインや自社製ムーブメントの開発によって、「独自の価値を持つブランド」としての地位を確立。現在は、オメガやブライトリング、タグ・ホイヤーなどがひしめく価格帯で、強力なライバルとして認識されています。

したがって、伝統的な格付けではオメガに軍配が上がりますが、チューダーの近年の躍進は目覚ましく、その差は確実に縮まってきていると考えられます。

チューダー恥ずかしい？という評判の真相

「チューダーは恥ずかしい」という声が一部で聞かれることがありますが、その背景には、前述したロレックスとの関係性が深く関わっています。これは主に、ブランドの歴史を知る一部の人々が持つ「ロレックスの廉価版」という過去のイメージに起因するものです。

しかし、この評価は現在のチューダーには当てはまりません。その理由は大きく分けて3つあります。

第一に、製品の独自性と品質の向上です。2012年の「ブラックベイ」発表以降、チューダーは過去のモデルに敬意を払いつつも、現代的な解釈を加えた独自のデザイン路線を確立しました。スノーフレーク針（イカ針）などは、ロレックスにはないチューダーならではのアイコンです。

さらに、2015年からは高性能な自社製ムーブメントを多くのモデルに搭載し始め、品質面でも他の高級ブランドと遜色ないレベルに到達しています。

第二に、ブランド戦略の成功です。デビッド・ベッカムやレディー・ガガといった世界的な著名人をアンバサダーに起用し、「BORN TO DARE（挑戦者のために生まれた）」という力強いメッセージを発信。これにより、モダンでスタイリッシュなブランドイメージを構築することに成功しました。

第三に、時計愛好家からの再評価です。高い品質と優れたデザイン、そして比較的手頃な価格設定から、コストパフォーマンスの非常に高いブランドとして時計専門家や愛好家から絶大な支持を得ています。「時計の本質を理解している人が選ぶブランド」という評価が定着しつつあるのです。

以上の点から、「チューダーは恥ずかしい」という評判は、もはや過去の遺物であり、現在のブランドの実力や評価を正しく反映したものではないと言えます。

つけてる人のイメージと世間のリアル評価

腕時計は、持ち主の個性や価値観を反映するアイテムです。チューダーとオメガ、それぞれをつけている人には、どのようなイメージがあるのでしょうか。

オメガをつけてる人の印象は『堅実で知的な成功者』

オメガをつけている人は、「堅実で知的な成功者」というイメージを持たれることが多いようです。世界的な知名度の高さから、ビジネスシーンでも相手に安心感と信頼感を与えます。

定番モデルである「スピードマスター」や「シーマスター」は、時計に詳しくない人にも「良い時計」と認識されやすく、コミュニケーションのきっかけになることもあります。伝統と格式を重んじ、確かな品質とステータスを求める人が選ぶブランド、という評価が一般的です。

チューダーをつけてる人のイメージは『お洒落で時計に詳しい知識人』

一方、チューダーをつけている人には、「お洒落で時計に詳しい知識人」というイメージが定着しつつあります。ロレックスという選択肢がありながら、あえてチューダーを選ぶ姿勢に、ブランドの歴史や本質的な価値を理解している「通」な印象を与えます。

ヴィンテージ感のあるデザインはファッションとの親和性も高く、自分のスタイルを持つ洗練された人物像を想起させます。見栄やブランド名だけでなく、コストパフォーマンスや自分自身の好みを重視する、賢明な選択をする人という評価も聞かれます。

もちろん、これらはあくまで一般的なイメージですが、どちらのブランドも所有者の満足度は非常に高く、周囲からもポジティブな評価を得ていることに違いはありません。

購入後のオーバーホール費用を徹底比較

機械式時計を長く愛用するためには、定期的なオーバーホール（分解掃除）が不可欠です。この維持費は、購入後の大きなコストとなるため、事前に把握しておくことが大切です。

一般的に、正規店でのオーバーホール費用は、チューダーの方がオメガよりも安価な傾向にあります。

ブランド	基本料金（3針モデル目安）	推奨周期
オメガ	約70,000円～	5～8年
チューダー	約50,000円～	約10年（条件による）

※上記は2025年時点での目安であり、モデルや状態、部品交換の有無によって変動します。

オメガは、コーアクシャルムーブメントの特性から、部品の摩耗が少なく、オーバーホールの推奨周期が長いというメリットがあります。ただし、クロノグラフなどの複雑機構を持つモデルは、基本料金が10万円を超えることもあります。

チューダーは、最新の自社ムーブメント搭載モデルにおいて、使用状況に問題がなければ約10年ごとのメンテナンスを推奨しており、維持費を抑えやすいのが魅力です。かつては日本ロレックスがアフターサービスを代行していましたが、現在はチューダー独自のサービスセンターで対応しています。

時計の精度と防水性能を維持するために、チューダー ウォッチはチューダー正規品販売店またはサービスセンターに、定期的にオーバーホールを依頼していただくことをおすすめしています。モデルや使用状況により、頻度は異なりますが、およそ10年以内にオーバーホールを受けることをおすすめしています。

引用元：TUDOR「よくある質問」

どちらのブランドも、民間の時計修理工房に依頼すれば費用を抑えることも可能ですが、メーカー独自の部品が必要な場合や、保証の観点からは、正規サービスを利用するのが最も安心できる選択です。

ブライトリングとの比較で見る立ち位置

チューダーとオメガのどっちを選ぼうかと悩むユーザーは、しばしば「ブライトリング」も比較対象として検討しているようです。ブライトリングを加えた3ブランドで比較すると、それぞれの立ち位置がより明確になります。

ブライトリングは、1884年創業のクロノグラフの名門であり、「空のプロフェッショナルのための計器」として航空業界と深い繋がりを持つブランドです。力強く、計器としての機能美を追求したデザインが特徴で、特に「ナビタイマー」はブランドを象徴する不朽の名作として知られています。

イメージとしては、「屈強で冒険心あふれるプロフェッショナル」といったところでしょうか。オメガの持つエレガンスや、チューダーの持つヴィンテージ感とは異なる、独特の存在感を放ちます。

価格帯はチューダーやオメガと重なる部分が多く、まさに直接のライバルと言えます。3ブランドを簡潔に比較すると、以下のようになります。

もしあなたが、海（ダイバーズ）や宇宙（スピードマスター）のロマンに惹かれるならオメガ、古き良き時代の冒険に思いを馳せるならチューダー、そして空への憧れやメカニカルな計器感が好きならブライトリングが、それぞれ響く選択肢となるかもしれません。

チューダーとオメガどっちが最適？後悔しない選び方を解説

資産価値のウソとホントをプロが解説

腕時計を購入する際、「資産価値」という言葉が頻繁に使われますが、その実態を正しく理解することが重要です。資産価値とは、購入した時計が将来的にどのくらいの価値を保つか、あるいは価値が上がるかという指標であり、主にリセールバリュー（再販価値）の高さで語られます。

まず、「ウソ」とは言いませんが、誤解されがちな点として、「全ての高級時計の価値が上がるわけではない」という事実があります。価値が購入時よりも上がるのは、ロレックスの特定のスポーツモデルや、パテックフィリップ、オーデマピゲの超人気モデルなど、ごく一部の例外的なケースです。

オメガやチューダーの時計は、基本的に「価値が下がりにくい」という点で資産価値が高いと評価されています。これは、ブランドの信頼性や人気の高さから中古市場での需要が安定しており、売却する際に購入価格から大きく値崩れしにくい、という意味です。

「ホント」の話として、両ブランドの資産価値を比較すると、現状ではオメガの方がやや安定していると考えられます。長い歴史の中で築き上げてきたブランド力と世界的な需要基盤が、中古市場での価格を強力に下支えしているからです。

特に「スピードマスター プロフェッショナル」や「シーマスター ダイバー300M」といった定番モデルは、非常に高い換金率を維持しています。

一方で、チューダーの資産価値も近年著しく向上しています。特に「ブラックベイ」シリーズの人気モデルは、中古市場でも高値で取引されており、ロレックスに次ぐリセールバリューを持つブランドとして注目されています。

5年後のリセールバリューをモデル別に予測

将来のリセールバリューを正確に予測することは不可能ですが、現在の市場動向やブランドの方向性から、5年後の傾向をある程度推測することは可能です。

オメガの主要モデル

オメガは、ブランド全体として安定したリセールバリューを維持すると考えられます。

チューダーの主要モデル

チューダーは、現在のブランドの勢いが続けば、さらにリセールバリューが向上する可能性があります。

注意点として、これらの予測はステンレススチール製の人気モデルを前提としています。金無垢モデルやコンビモデル、あるいはニッチなモデルは、需要が限定されるためリセールバリューが低くなる傾向があります。

後悔しない選び方の為に知るべき3つのこと

高価な買い物だからこそ、後悔のない選択をしたいものです。そのために、以下の3つのポイントを意識することをおすすめします。

あなたに合う一本が見つかるタイプ別診断

これまで見てきた情報を基に、あなたがどちらのブランドに向いているか、簡単なタイプ別診断をご提案します。

【オメガ】がおすすめな人

• 安定と信頼を重視するタイプ: 誰が見ても良い時計だと分かる、王道の選択をしたい。
• ビジネスシーンでの使用を考えているタイプ: 周囲からの信頼感やステータス性を大切にしたい。
• 歴史やストーリーに魅力を感じるタイプ: 月面着陸やオリンピックといった、ブランドが持つ壮大な物語に惹かれる。
• 最新技術や機能性を求めるタイプ: コーアクシャルやマスタークロノメーターといった、技術的な先進性に価値を見出す。

【チューダー】がおすすめな人

• 自分らしい個性を表現したいタイプ: 人と被りにくい、玄人好みの選択でセンスの良さを示したい。
• コストパフォーマンスを重視するタイプ: 高品質な時計を、賢く手に入れたい。
• ファッションとのコーディネートを楽しみたいタイプ: ヴィンテージ感のあるデザインを、お洒落のキーアイテムとして活用したい。
• これからの成長性に期待したいタイプ: 人気上昇中のブランドを、先取りする感覚で応援したい。

この診断はあくまで一つの目安です。最終的には、あなたの心がどちらのブランド、どのモデルにときめくかが、最も大切な答えとなります。

女性ウケがいいのはどっちか本音で解説

時計を選ぶ上で、異性からの視線を少し意識するのも自然なことです。では、一般的な女性からの印象が良いのはどちらのブランドでしょうか。

本音で言うと、時計に詳しくない多くの女性にとっては、「オメガ」の方が分かりやすく好印象を持たれやすい傾向があります。理由は単純で、その圧倒的な知名度です。

誰もが知っているブランドであるため、「しっかりした良い時計をつけている人」という安心感や信頼感に繋がりやすいのです。特に、映画「007」のジェームズ・ボンドが愛用しているイメージから、洗練された大人の男性像を連想する人もいます。

一方で、チューダーは、ファッション感度の高い女性や、少しこだわりのあるモノが好きな女性から評価される可能性があります。「その時計、チューダーだよね？お洒落だね」といった会話が生まれれば、あなたのセンスや知識の深さをアピールする絶好の機会になるかもしれません。

したがって、「広く浅く、多くの女性に良い印象を与えたい」のであればオメガ、「特定の感度の高い層に深く響かせたい」のであればチューダー、という見方ができるかもしれません。

ただし、最も大切なのは時計があなた自身に似合っているかどうかです。自信を持って身につけている姿こそが、最も魅力的に映ることに違いはありません。

ロレックスやオメガでよくあるQ&A

それでは、ここからはロレックスやオメガの腕時計でよくある質問をまとめておきます。

チューダーは「ロレックスが買えない人の時計」だと思われませんか？

かつてはそう見られることもありましたが、今は違うと考えられます。チューダーは自社製ムーブメントを搭載し、品質もデザインも高く評価される独自のブランドへと進化しました。むしろ時計の本質を理解する人が「あえて選ぶ」時計として、ポジティブなイメージが定着しつつあります。

正直なところ、女性ウケが良いのはどちらのブランドですか？

一般的に広く良い印象を持たれやすいのは、知名度の高いオメガです。多くの方が知るブランド名は安心感に繋がります。一方で、チューダーのヴィンテージ感あるお洒落なデザインは、ファッション感度の高い女性から「センスが良い」と評価される可能性があります。どちらも魅力的な選択肢です。

ブライトリングも候補ですが、この3ブランドで買うならどれがおすすめですか？

3ブランドはそれぞれ個性が異なります。格式と万能性を求めるならオメガ、ヴィンテージ感とお洒落さを重視するならチューダーが向いています。そして、力強いプロ向けの計器といった雰囲気がお好きであればブライトリングが最適です。ご自身のスタイルに合わせて選ぶことをお勧めします。

今買って、10年後に価値が上がっている可能性が高いのはどちらですか？

購入価格を超える上昇はごく一部のモデルに限られます。その上で、より安定した価値を期待するならオメガに分があるでしょう。ただし、チューダーも人気が急上昇しており、将来性は非常に有望です。基本的には「価値が落ちにくい」時計として、気に入ったものを選ぶのが賢明だと言えます。

正規店で新品を買うのと、信頼できるお店で中古品を買うのは、どちらが良い選択ですか？

何を重視するかで選択は変わります。メーカー保証が長く、誰も使っていない満足感を求めるなら正規店の新品が最適でしょう。一方、費用を抑えたい場合や生産終了モデルを探している場合には、信頼できるお店で良質な中古品を探すのが賢い選択肢となり、それぞれに良さがあります。

結論：あなたの答えはチューダーかオメガどっちか

この記事を通じて、チューダーとオメガ、二つの偉大なブランドについて多角的に比較してきました。最終的にどちらを選ぶべきか、その答えはあなた自身の価値観の中にあります。

この記事で得た知識を基に、ぜひ実店舗で両ブランドの時計を手に取り、その重みや輝きを肌で感じてみてください。

そうすれば、きっと「後悔しない自分だけの答え」が見つかるはずです。

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