アストロンの価値は上がる？資産性とリセールバリューの真実を解説

こんにちは。毎月200本以上の腕時計をマッチングしているCHRONOBLE 運営者の「NAOYA」です。

そんなふうに悩み、この記事にたどり着かれたのではないでしょうか。

アストロンは安いモデルでも10万円台、高いものでは30万円を超える高級時計ですから、購入後の資産価値やリセールバリューが気になるのは当然のことですよね。

結論から申し上げますと、アストロンは基本的には最高の実用的な道具としての側面が強く、ロレックスのスポーツモデルのように持っているだけで誰でも価値がどんどん上がるという性質の時計ではありません。

しかし、特定の条件を満たす希少なモデルや、購入時の賢い選び方を実践することで、驚くほど高く売れるケースや、損失を最小限に抑えられるケースがあるのも事実です。

この記事では、アストロンが今買いかどうかの判断材料から、最新の人気ランキング、気になる買取相場やリセールバリューの実態まで、業界の裏事情も含めて包み隠さずお話しします。

私自身の経験に基づき、あなたが後悔しない選択をするための知識を全力でシェアさせていただきますね。

アストロンの価値が上がる可能性の検証

まず最初に、皆様が一番気になっている「アストロンの価値は本当に上がるのか？」という疑問に、正面から向き合ってみたいと思います。

時計市場のトレンドや、過去のデータを詳細に分析すると、アストロンの市場での立ち位置がはっきりと見えてきます。過度な金融資産のような期待は禁物ですが、知っておくべき「例外」についても詳しく解説していきますね。

アストロンはなぜ人気なのか

そもそも、なぜアストロンはこれほどまでに多くの人を惹きつけ、国産高級時計の代表格として君臨しているのでしょうか。 その理由は、単なる高級時計というステータスを超えた、圧倒的な「実用性の高さ」と「信頼性」にあります。

2012年に世界初のGPSソーラーウオッチとして復活したアストロンは、地球上のどこにいてもGPS衛星からの電波を受信し、ボタン一つで瞬時に正確な現地時刻に修正できるという、魔法のような機能を備えています。

例えば、海外出張で空港に降り立った瞬間、空を見上げてボタンを押すだけで現地の時間に合う。この快感と安心感は、一度味わうと他の時計には戻れないほどです。

また、近年のモデルはデザイン性も飛躍的に向上しています。特に最新の「Nexter（ネクスター）」シリーズのように、ビジネススーツの袖口にも収まるスタイリッシュな造形は、所有欲を十分に満たしてくれます。

絶対に止まらない、狂わない、そして美しい

この3拍子が完璧に揃っているからこそ、多忙なビジネスパーソンや実用時計の頂点を求める方々から、不動の人気を誇っているのです。

セイコー『アストロン』の2025年最新の人気モデル10モデルをまとめた記事はこちら。購入前にチェックしてみてください。→セイコー アストロン人気ランキング10モデル【2025年最新】

アストロンの買取相場とリセールバリュー

では、シビアな現実である「お金」の話をしましょう。アストロンを手放す際、実際にどれくらいの価格で売れるのでしょうか。

包み隠さずお伝えすると、アストロンのようなハイテク系クオーツ時計のリセールバリューは、機械式時計（ロレックスやグランドセイコーのメカニカルなど）に比べると、構造的に低くなる傾向があります。

以下に、世代ごとの大まかなリセール率の目安をまとめました。これは状態が良好な場合の平均的な数値です。

世代	発売時期	リセール率	市場の評価
現行世代（5X系・3X系）	2018年〜現在	30% 〜 50%	需要が高く、比較的高値で安定
第2世代（8X系）	2014年〜2018年	20% 〜 30%	型落ち感があり、価格は下落傾向
第1世代（7X系）	2012年〜2014年	10% 〜 20%	「デカ厚」で実用性が低く底値圏

なぜこのように価値が下がるのかというと、アストロンが最新技術を売りにしている製品だからです。

スマートフォンやパソコンと同じで、より高性能で小型な新型が登場すると、どうしても旧型のスペックが見劣りし、価値が下がってしまいます。

ですので、資産として残すというよりは、便利な道具として使い倒すというスタンスで考えるのが、精神衛生上も良く、アストロン本来の楽しみ方だと言えます。

アストロンの資産価値が上がる条件

とガッカリされたかもしれませんが、諦めるのはまだ早いです。 実は、アストロンの中には例外的に資産価値が購入時と同等、あるいはそれ以上に上がるケースが存在します。これは時計市場の面白さでもあります。

その価値が上がる条件とは、以下の3点が奇跡的に揃った時です。

価値が跳ね上がる3つの条件

1. 世界的な知名度を持つ人物やブランドとのコラボレーションであること （単なる限定色ではなく、背景に強いストーリーがあるもの）
2. 生産本数が極めて少ない限定モデルであること （数千本単位ではなく、数百本〜1,000本台など希少性が高いもの）
3. 付属品が完品で、状態が「未使用」に近いこと （特に限定BOXや保証書、タグなどが全て揃っていること）

通常のカタログモデルが定価以上になることは構造上ほぼあり得ませんが、こうした特別な背景を持つモデルは時計としてだけでなく希少なコレクターズアイテムとして評価されるため、相場が定価を超えて跳ね上がることがあるのです。

価値が高騰する限定モデルの正体

具体的に、過去どのような限定モデルの価値が高騰しているのか、実例を見てみましょう。 現在のアストロン市場において、最も資産価値が高いとされているのが、メジャーリーガー大谷翔平選手とのコラボレーションモデルです。

大谷翔平選手コラボレーションモデルの凄まじさ

特に、彼がロサンゼルス・エンゼルスでMVPを獲得するなど歴史的な活躍を見せた時期に発売されたモデル（例：SBXC017など）や、日本ハムファイターズ時代の希少なモデル（例：SBXB119）は、現在の中古市場でも定価に近い価格、あるいは定価を大きく上回るプレミアム価格で取引されることがあります。

これは、大谷選手自身が「生きる伝説」となったことで、彼が関わった時計そのものが「歴史的な記念品（メモラビリア）」へと昇華した稀有な例です。

時計の機能ではなく大谷選手のアイテムとして世界中のファンが欲しがるため、相場が崩れないのです。

その他の高評価コラボ例

他にも、「HondaJet（ホンダジェット）」や「ジウジアーロ・デザイン」などのコラボモデルも、熱狂的な航空機ファンやデザインファンが存在するため、発売から年数が経過しても値崩れしにくい傾向にあります。

投資視点でアストロンは買いか

ここまでの話を整理して、ズバリ投資目的でアストロンは買いかと聞かれれば、私の答えは正直に申し上げて「No」です。

もし純粋に「お金を増やしたい」「資産防衛をしたい」のであれば、アストロンではなく、ロレックスのスポーツモデル（デイトナやサブマリーナー等）や、パテック・フィリップのような雲上ブランド。

あるいは現物の金（ゴールド）を買うべきでしょう。これらは世界共通の換金資産として機能します。

アストロンはあくまで『最高の時間を刻むツール』です。金融的な投資商品ではありません。 ですが、自己投資として考えるなら、これほど素晴らしい時計はありません。

日々の時刻合わせや電池交換のストレスから完全に解放され、世界中どこにいても正確な時間を知ることができる。これによって得られるビジネス上の信頼や、遅刻を許されない場面での心の余裕は、金額以上の価値があると私は確信しています。

アストロンが買いか否か？腕時計のプロが選び方のポイントを徹底的に解説しています。
→セイコー アストロンは買いか？腕時計のプロが選び方のポイントを解説

アストロンの価値が上がる選び方と維持

アストロンの特性をしっかり理解した上で、それでも「少しでも賢く買いたい」「損をしたくない」と考えるのが賢明な消費者の姿ですよね。

ここからは、購入後の満足度を高めつつ、将来手放す際にも少しでも高く評価されるための、具体的な選び方や維持管理のポイントを伝授します。

後悔しないアストロンの選び方

高いお金を出してアストロンを買ったのに、「失敗した」と後悔するのは絶対に避けたいですよね。

資産価値を守りつつ、毎日の満足度を最大化するために、私が必ずお伝えしている「3つのセオリー」を解説します。

リセールと快適さを重視するなら「最新5X系」一択

将来的な売却価格と実用性を考えるなら、搭載エンジンは最新の5X系を選ぶのが鉄則です。中古市場では旧型の7X系や8X系が安く売られていますが、これらは本体が分厚く、GPSの受信感度も現行機に劣ります。

さらに、古いモデルはメーカーの部品保有期間が終了し、故障しても修理できない「修理不可リスク」を抱えています。

対して5X系は小型で受信速度も速く、市場での需要も安定しています。安物買いの銭失いにならず、資産価値を維持するためにも現行スペックを選びましょう。

「中古美品」こそが経済的に最強の賢い戦略

もし新品へのこだわりが強くなければ、状態の良い中古美品を狙うのが最も賢い選択です。

アストロンのようなハイテク時計は、新品から中古になった瞬間に市場価値が大きく下がる傾向があります。この「最初の値下がり」を他者が負担してくれた後の個体を狙うのです。

定価の半額程度で現行スペックの美品を手に入れることができれば、それ以降の値下がり幅は非常に緩やかになります。数年使って売っても損失を最小限に抑えられる、経済合理性の高い楽しみ方です。

「チタン素材」と「サイズ感」の実機確認

最後に、カタログでは分からない「装着感」の確認も重要です。アストロンはチタン製で軽量ですが、ケースサイズはモデルによって異なります。

特に手首に対して時計が大きすぎると、あちこちにぶつけて傷を作る原因となり、将来の査定額を大きく下げる要因になります。

ネットで購入する場合でも、可能な限り一度は実店舗で試着をし、ご自身の腕に違和感なく馴染むサイズかどうかを確認することを強くおすすめします。

アストロンを購入する際に多くの方が対抗馬として検討するCITIZEN「アテッサ」との比較の記事もありますので、併せてお読みください。→アストロンとアテッサを比較！選び方完全ガイド＆おすすめモデル

アストロンの一番人気ランキング

現在、市場で具体的にどのようなモデルが多くの支持を集めているのでしょうか。ここでは、日々多くのアストロンを取り扱っている私の肌感覚と、実際の市場取引データを基にした一番人気ランキングをご紹介します。

ここで挙げるモデルは、単に「売れている」だけでなく、中古市場での需要も非常に高いため、将来もし手放すことになった際にも、比較的スムーズに、かつ良い条件で買い手がつきやすいモデルだと言えます。選び方の参考にしてみてくださいね。

第1位：Nexter（ネクスター）シリーズ SBXC系

おすすめNo.1は、次世代のリーダーに向けて開発された「Nexter（ネクスター）」シリーズです。今、アストロンを買うなら間違いなくこのシリーズが本命と言えるでしょう。

最大の魅力は、スーツスタイルを格上げしてくれる洗練されたデザインにあります。従来のアストロンにあった「ゴツゴツとした計器感」を少し抑え、多角形ベゼルを取り入れたシャープで都会的な造形は、ビジネスシーンでも嫌味なく、知的な印象を相手に与えてくれます。

また、ケースとブレスレットには軽量なチタン素材が採用されており、一日中着けていても腕が疲れないという点も、忙しいビジネスパーソンから圧倒的な支持を得ている理由です。

特に定番の黒文字盤や、爽やかで知的なブルー文字盤は鉄板の人気カラーであり、中古市場でも入荷するとすぐに売り切れてしまうほど回転が早いため、リセールバリューも安定しています。

第2位：大谷翔平選手 コラボレーションモデル

第2位は、もはや説明不要のスーパースター、大谷翔平選手とのコラボレーションモデルです。こちらは実用性もさることながら、資産性や話題性を重視する方からの指名買いが絶えません。

このモデルが特別なのは、単なる限定品という枠を超え、大谷選手の偉業を称える「メモリアルアイテム」としての側面を持っている点です。

特に、彼が在籍していたロサンゼルス・エンゼルスのチームカラーである「赤」をアクセントにあしらったモデルや、裏蓋に彼のサインが刻印されたモデルは、ファンにとっては喉から手が出るほど欲しいお宝です。

生産本数が限られているため市場に出回る数が少なく、需要が供給を常に上回っている状態です。そのため、定価割れが当たり前の時計市場において、高値で推移し続けている数少ない例外的な存在となっています。

第3位：グローバルライン スポーツ 5Xチタン

3番目に紹介したいモデルは、「グローバルライン スポーツ」の5Xチタンモデルです。こちらはNexterシリーズよりも少しボリューム感があり、アストロンらしい力強さを求める方から根強い人気があります。

特徴的なのは、その名の通りスポーティーかつ重厚なデザインです。視認性の高い太めの針やインデックス、そして堅牢なケース構造は、タフな環境下でも確実に時を刻んでくれる頼もしさを感じさせます。

オンオフ問わずガシガシ使える実用時計としての完成度が非常に高く、週末のアウトドアやカジュアルなファッションにも違和感なくマッチします。

アストロンの寿命は何年もつのか

長く使う上でどうしても気になるのが寿命（何年もつのか）という点ですよね。アストロンはソーラー充電式の時計ですので、数年ごとの定期的な電池交換は不要ですが、決して「一生メンテナンスフリー」というわけではありません。

内部には電気を蓄える「二次電池（キャパシタ）」が入っており、これの寿命は一般的に10年〜15年程度と言われています。また、防水性能を維持するためのゴムパッキンや、内部機構の潤滑油も経年劣化しますので、メーカーでは3年〜4年に一度の点検やオーバーホールを推奨しています。

【重要】修理対応期間（部品保有期間）のリスク

クオーツ時計やデジタル家電の宿命として、メーカーの部品保有期間（生産終了から通常7〜10年程度）が過ぎると、修理ができなくなるリスクがあります。

特に初期の7X系などは、既にメーカーでの修理受付が終了しているケースも出てきています。

修理不能になると時計としての価値はほぼゼロになってしまうため、中古で購入する際はまだメーカー修理が可能かを確認することが非常に重要です。（出典：セイコーウオッチ株式会社「お客様サポート」）

ここでは書ききれなかったアストロンの寿命について、より詳しくまとめましたので気になる寿命について詳しく知りたい方は併せてお読みください。

価値維持と向上させるポイント

手に入れたアストロンの価値維持、あわよくば査定評価を向上させるポイントは、日常の扱いと保管方法にあります。

まず、アストロンのケースやバンドに多く使われているチタンは、軽くて錆びにくい素晴らしい素材ですが、ステンレスと違って「研磨（ポリッシュ）」で傷を消すことが非常に難しいという特性があります。

多くのモデルにはダイヤシールドなどの硬化コーティングが施されていますが、一度深い傷がつくと修復不可となるため、デスクワーク中にバックルを机に擦り付けないなど、丁寧な取り扱いが将来の査定額に直結します。

そして何より大切なのが「付属品」です。

保証書はもちろんですが、ブレスレットのサイズ調整で外した「余りコマ」は絶対に捨てないでください。コマが1つ足りないだけで、腕の太い方が装着できなくなるため、買取価格が数千円から1万円近く下がることがあります。

限定モデルの場合は、専用のスペシャルBOXがあるかどうかが生命線になりますので、大切に保管してください。

アストロンの価値が上がる将来性まとめ

最後に、改めてアストロンの価値は上がるのかについてまとめさせていただきます。

アストロンは、基本的には使ってこそ価値がある最高の実用時計であり、金庫に眠らせて資産が増えるのを待つような投資商品ではありません。

しかし、大谷翔平選手モデルのような強力なストーリーを持つ限定品や、需要の高い人気モデルの状態の良い個体を賢く選ぶことで、資産価値の目減りを最小限に抑えたり、稀にプレミア価格の恩恵を受けたりすることは十分に可能です。

私からのアドバイスとしては、アストロンを「将来の値上がりを期待して使わずにしまっておく時計」にするのではなく、「日々のビジネスや生活を豊かにするための最高の相棒」として迎え入れていただきたいです。

毎日正確な時間を刻み、あなたの腕元で輝くその経験価値こそが、アストロンがあなたに提供してくれる最大の利益ではないでしょうか。

もし購入モデルの選定や、お手持ちのアストロンの売却でお悩みであれば、いつでもご相談くださいね。あなたにとって最高の一本が見つかることを、心から応援しています。