こんにちは。CHRONOBLE運営者のNAOYAです。
ゴルフのスコアアップを目指す上で、正確な距離を知ることはもはや必須のスキルと言えますよね。でも、いざ購入しようと検索してみると、レーザー距離計とGPS腕時計のどちらを選べばいいのか、本当に悩ましい問題にぶつかります。

プロみたいにカッコよくレーザーで測りたいけど、手ブレして使いこなせるか不安…

腕時計型は便利そうだけど、充電が面倒だし、精度もイマイチなんじゃないの?
こんな風に、それぞれのメリットとデメリットが頭の中でグルグル回って決めきれない、という方は非常に多いんです。安い買い物ではないですし、失敗したくないですよね。私自身も最初はGPSウォッチから入り、途中でレーザーに浮気し、最終的には「ある結論」に達しました。
この記事では、それぞれのデバイスが持つ技術的な背景から、実際のラウンドでの使い勝手、そしてあなたのプレースタイルに合わせた選び方まで、徹底的に深掘りして解説していきます。
- ゴルフ距離計と腕時計型GPSの決定的な違いとそれぞれの強み
- 実際のラウンドで感じる「使い勝手」や「ストレス」のリアルな比較
- 2025年の最新技術による精度の向上とバッテリー性能の実態
- あなたのスキルレベルや性格に合った最適なデバイスの選び方
- ゴルフ距離計と腕時計型GPSの決定的な違いとそれぞれの強み
- 実際のラウンドで感じる「使い勝手」や「ストレス」のリアルな比較
- 2025年の最新技術による精度の向上とバッテリー性能の実態
- あなたのスキルレベルや性格に合った最適なデバイスの選び方
ゴルフ距離計と腕時計はどっち?徹底比較

まずは、レーザー距離計とGPS腕時計、この二大巨頭が根本的にどう違うのか、その仕組みと特性を徹底的に比較していきましょう。どちらが「優れている」という単純な話ではなく、あなたのゴルフスタイルにおいて「どちらがよりストレスを減らしてくれるか」という視点で見ていくことが重要です。
ゴルフ距離計と腕時計のメリットとデメリット

この2つのデバイスは、そもそも距離を割り出すアプローチが全く異なります。それぞれの「得意なこと」と「苦手なこと」を理解することが、選択の第一歩です。
レーザー距離計:一点突破の「スナイパー」
レーザー距離計の最大にして最強のメリットは、今、目の前で見えているターゲットまでの正確無比な実測値が得られることです。これは、地図データ上の計算値ではなく、物理的にレーザーを当てて測った数値です。
例えば、ピンフラッグはもちろんですが、「あのバンカーの顎(あご)を越えるにはキャリーで何ヤード必要か?」「ドッグレッグの曲がり角にある、あの大きな松の木までは何ヤードか?」といった、コース上のあらゆるオブジェクトをターゲットにできます。
特に、打ち上げや打ち下ろしの激しいホールでは、直線距離だけでなく高低差を加味した「打つべき距離」を1ヤード単位で知ることができるため、クラブ選択の迷いが完全に消えます。
一方でデメリットは、操作の手間と視界への依存です。毎回ケースから取り出し、ファインダーを覗き、ボタンを押すという動作が必要です。また、霧が濃い日や、ブラインドホールでピンが見えない状況では、ただの重りになってしまうこともあります。
GPS腕時計:俯瞰で攻める「司令塔」
GPS腕時計の魅力は、何と言っても身につけられることによる圧倒的な利便性です。左手首をチラッと見るだけで、グリーンセンター、手前エッジ、奥エッジまでの距離が瞬時に分かります。
また、最大の強みはコースレイアウトが見えることです。初めて回るコースや、先が見えないブラインドホールでも、「この先右側に池がある」「230ヤード地点にバンカーがある」といったハザード情報を事前に察知できます。これはレーザーには絶対にできない芸当。まさに、腕の中に優秀なキャディがいるような感覚ですね。
デメリットとしては、定期的な充電が必要な点と、どうしても地図データに依存するため、ピン位置(その日のカップが切ってある場所)までの距離は、手動でピン位置設定をしない限り「センター表示」が基本になる点です。
| 機能・特徴 | レーザー距離計 | GPS腕時計 |
|---|---|---|
| 測定原理 | レーザー反射(実測) | 衛星測位+地図データ |
| 情報の種類 | ピンポイントの直線距離・高低差 | コース全体図、ハザード、グリーン形状 |
| 操作性 | 取り出し→計測(能動的) | 見るだけ(受動的) |
| ブラインドホール | × 計測不可 | ◎ コース図で確認可能 |
| 主なターゲット | 中級者〜上級者、競技志向 | 初心者〜中級者、エンジョイ派 |
距離測定の精度と誤差に関する技術的違い

GPSは数ヤードずれるから信用できないという話、ベテランゴルファーの方から聞いたことがありませんか?確かに、10年ほど前のGPS距離計は、カート道の位置にいると表示されたり、隣のホールを認識してしまったりと、精度に難があることもありました。しかし、2025年現在、その常識は完全に過去のものとなりつつあります。
GPS精度の劇的な進化:みちびきL1S信号
近年のハイエンドなGPSウォッチ(Garmin Approach S70やShot Navi Evolve PROなど)は、従来のGPS(米国)に加え、GLONASS(ロシア)、Galileo(欧州)、そして日本が誇る準天頂衛星システム「みちびき」など、複数の衛星測位システム(GNSS)を同時に受信する「マルチバンド」に対応しています。
特に重要なのが、日本の「みちびき」が送信しているL1S信号(サブメータ級測位補強サービス)への対応です。これは、電離層の遅延などによるGPSの誤差を補正する信号で、これを受信できるデバイスでは、理論上の誤差を1メートル以下に抑えることが可能。つまり、アマチュアゴルファーがグリーンセンターを狙うという目的においては、もはや誤差は無いに等しいレベルまで進化しています。(出典:内閣府 宇宙開発戦略推進事務局『みちびき(準天頂衛星システム):サブメータ級測位補強サービス』)
レーザーの精度は「絶対的」
対するレーザー距離計は、LIDAR技術を応用しており、光が反射して戻ってくる時間をナノ秒単位で計測します。この仕組み上、衛星の配置や電波状況に左右されることがなく、物理的にレーザーが当たりさえすれば、その精度は±1ヤード以内(ハイエンドモデルでは±0.3ヤード程度)と極めて正確です。
プロゴルファーがレーザーを手放さない理由はここにあります。150ヤードと148ヤードの違いを打ち分け、バーディチャンスにつけるためには、GPSの約150ヤードではなく、レーザーの149.5ヤードという確信が必要だからです。
ただし、GPSウォッチの進化も凄まじく、ガーミンなどは独自のアルゴリズムで、気圧高度計による高低差、風速・風向き、空気密度まで計算に入れた打つべき距離を算出します。このあたりの高度な機能については、以下の記事でも詳しく比較しています。【2025年版】ガーミン・ポラールを比較!あなたに合うのはどっち
操作の使い勝手とプレーの進行への影響

ゴルフはリズムのスポーツであり、同時にマナーのスポーツでもあります。同伴者を待たせず、スマートにプレーを進めることは、スコア以上に大切な要素かもしれません。この観点で両者を比較すると、大きな違いが見えてきます。
GPSウォッチ:究極の「ノールック」プレー
操作の快適性において、GPSウォッチの右に出るものはありません。基本的に、ゴルフ場に着いてゴルフモードを開始すれば、あとはラウンド終了までボタンを触る必要すらほとんどありません。
- ティーグラウンドに立てば、自動でそのホールを認識し、情報を表示
- セカンド地点に移動すれば、自動でGPSが追従し、残り距離を更新
- グリーンに乗れば、自動でグリーンビューに切り替わる(モデルによる)
- ショットを打てば、衝撃を感知して自動で飛距離を計測(オートショット機能)
これら全てが自動で行われるため、プレーヤーは距離を知るという作業に脳のリソースを割く必要がありません。ただ手元を見るだけ。これは、特に余裕のない初心者や、会話を楽しみたいエンジョイゴルファーにとって、計り知れないメリットとなります。
レーザー距離計:慣れが必要な「職人技」
一方、レーザー距離計は能動的な操作が必要です。 「ボール地点に行く」→「ケースの蓋を開ける」→「本体を取り出す」→「構える」→「ファインダーを覗く」→「ピンを探す」→「ボタンを押して計測」→「数値を確認」→「本体をしまう」→「クラブを選ぶ」。 この一連の動作を、毎回ショットのたびに行う必要があります。
慣れている上級者はこれを数秒でこなしますが、慣れていないと「あれ、ピンに当たらない」「手ブレして測れない」と焦ってしまい、同伴者を待たせてしまう原因になりかねません。特に、カートから離れた地点にボールがある場合、距離計を持っていくのを忘れてしまい、目測で打つか、カートに取りに戻るかという悲しい二択を迫られることもあります。
スロープレーを防ぐためのレーザー使用のコツ
レーザーを使う場合は、自分の打順が来る前に、ボールの近くに移動しながら計測を済ませておくのが鉄則です。また、計測時は脇を締めて、両手でしっかり持つことで手ブレを抑えられます。
持ち運びの携帯性とバッテリー寿命の比較

ラウンド中、常に持ち歩くことになるデバイスですから、携帯性はスコアや疲労度にも直結します。また、いざという時のバッテリー切れは、その日のゴルフを台無しにしてしまうほどのリスクです。
「身につける」vs「持ち運ぶ」
GPSウォッチは腕に巻いているため、携帯の手間はゼロです。スイング中に手首に何かあるのが嫌だという方もいますが、最新モデル(Garmin S70など)は重量が40〜50g程度と非常に軽く、バンドもシリコン製でフィット感が高いため、数ホール回れば着けていることを忘れるレベルです。夏場の日焼け跡だけが唯一の欠点でしょうか。
レーザー距離計は、腰のベルトに専用ケースを通して装着するか、ポケットに入れるのが一般的です。最近は「クレジットカードサイズ(Miniモデル)」も増えており、ポケットに入れてもスイングの邪魔になりにくくなっていますが、出し入れのアクション自体はなくなりません。 マグネット内蔵モデルで、カートの支柱やアイアンヘッドにピタッと貼り付けておくスタイルも人気ですが、これは「カートに忘れたままホールアウトしてしまう」という事故が多発しています。高価な機器なので、置き忘れには細心の注意が必要です。
バッテリー:充電式 vs 電池式
ここには明確な一長一短があります。
GPSウォッチ(充電式)
最大の弱点は「充電忘れ」です。前日の夜に充電し忘れると、ゴルフ場に着いた時には電池切れ…という悲劇が起こります。また、リチウムイオンバッテリーは経年劣化するため、購入当初は2ラウンド持っていたものが、3年後には1ラウンドギリギリになることもあります。昼食休憩中にモバイルバッテリーで継ぎ足し充電をするなど、運用面でのケアが必要です。
レーザー距離計(電池式が主流)
多くのモデルは「CR2」というリチウム電池を使用しており、これ1本で数千回の計測が可能です。普通に使っていれば、半年〜1年は電池交換不要です。万が一ラウンド中に切れても、ゴルフ場の売店やコンビニで電池を買えば即復活できます。最近はUSB充電式のレーザーも増えていますが、バッテリー持ちに関してはレーザーの方に圧倒的な分があります。
安いモデルでも十分使えるかコスパを検証

ゴルフギアはクラブやウェアにもお金がかかるので、距離計はなるべく安く済ませたいというのが本音ですよね。安かろう悪かろうなのか、それともコスパ最強なのか、価格帯別の実力を検証します。
格安レーザー(1万円〜2万円):驚くほど使える
結論から言うと、レーザー距離計に関しては、1万円台のモデルでも十分に実戦で使えます。 TecTecTec、EENOUR、GOLFBUDDYといった新興メーカーやEC中心のブランドは、広告費や流通コストを抑えることで、驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。
もちろん、ニコンやブッシュネルのような強力な手ブレ補正や極上の見やすさはありません。しかし、距離を測るという基本機能においては、±1ヤード以内の精度が出ており、計測スピードも0.1秒台と爆速です。初めての一台なら、まずはこの価格帯から入るのが賢い選択かもしれません。
格安GPSウォッチ(1万円台):割り切りが必要
一方で、GPSウォッチの1万円台モデルには注意が必要です。この価格帯の多くは、モノクロ液晶でコースマップが表示されないタイプだからです。 グリーンまで残り何ヤードかという数字だけ分かればいい、という方にはシンプルで使いやすいですが、GPSウォッチの真骨頂であるハザードの位置確認やドッグレッグの全体像把握ができません。
これだと、スマホの無料アプリを使っているのと大差がない、ということにもなりかねません。 GPSウォッチを選ぶなら、カラータッチパネルでコースマップが表示されるミドルクラス(3万円前後〜、Shot Navi EvolveやVoice Caddie A3など)以上を選ぶことを強くおすすめします。
初心者におすすめなのは距離計かウォッチか

まだゴルフを始めたばかりで、100切りを目指している段階の初心者の方。あるいは、コースに出るとどうしてもバタバタしてしまう方。そんなあなたには、迷わずGPS腕時計を推します。
理由は単純で、「余裕が生まれるから」です。
初心者のうちは、ボールが曲がって林に入ったり、カートから遠いラフに行ったりと、とにかく走り回ることが多いものです。そんな状況で、ポケットからレーザーを取り出し、息を整えて、手ブレと戦いながら小さなピンを狙って計測する…そんな精神的・時間的な余裕はまずありません。結局、面倒くさいから適当に打っちゃえとなり、距離計がただの荷物になってしまうケースを数多く見てきました。
GPSウォッチなら、どんなに焦っていても、走りながら手首をチラッと見るだけで情報が入ってきます。グリーンまであと130ヤードか、じゃあ8番アイアンでとりあえず前に進もうという判断が瞬時にできます。また、初心者が陥りやすい隣のホールに打ち込むや池の存在に気づかず打ち込むといったトラブルも、手元の地図で事前にハザードを確認することで回避できます。見えない恐怖を解消し、安心感を与えてくれるGPSウォッチは、初心者の最強のお守りとなるはずです。
人気モデルのランキングや機能比較については、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、機種選びの参考にしてみてください。迷わず選べる!ガーミンおすすめスマートウォッチ人気ランキング【2025年最新版】 | CHRONOBLE
ゴルフ距離計か腕時計かどっちを選ぶべきか

ここまで、両者のハードウェア的な違いを見てきました。後半では視点を変えて、あなたのゴルフスタイルや目指すレベルというソフト面から、どちらを選ぶべきかの決定打を探っていきます。2025年のゴルフシーンでは、単に距離を測るだけでなく、データを活用して上達につなげるスタイルが主流になりつつあります。
上級者が重視するレーザー測定器の活用法

スコア80台、70台を安定して叩き出す上級者たちが、なぜ頑なにレーザー距離計を手放さないのか。その理由は、彼らが求めている情報がグリーンの中心までの距離ではなく、ピンが切られているその一点までの、ミリ単位の距離だからです。
上級者のゴルフは、単にグリーンに乗せるだけでなく、ピンの奥につけるか、手前につけるかまでをコントロールするゲームになります。
例えば、ピンがグリーンの手前エッジから5ヤード、奥エッジから25ヤードの位置にあるとしましょう。GPSウォッチのセンター表示が残り150ヤードだとしても、ピンまでの実距離は140ヤードかもしれません。この10ヤードの差は、使用クラブが1〜2番手変わる致命的な差です。レーザー距離計なら、ピンフラッグのプリズムにレーザーを当てることで139.5ヤードという実測値を弾き出せます。この数字への絶対的な信頼があるからこそ、彼らは迷いなくピンをデッドに狙っていけるのです。
また、上級者はレーザーを練習器具としても活用しています。練習場の看板やネットまでの距離を測り、自分のウェッジのフルショットがキャリーで何ヤード飛ぶのか、ハーフショットなら何ヤードなのかを正確に把握する作業を行います。自分の縦距離の基準を作る作業において、誤差のないレーザー距離計は必須のパートナーと言えるでしょう。
腕時計型GPSナビの便利なコース分析機能

もしあなたが、「ゴルフをもっとデータで科学したい」「自分の弱点を客観的に知りたい」と考えているなら、最新のGPSウォッチが提供する分析機能は感動レベルの体験をもたらしてくれます。これこそが、単なる距離計を超えたスマートウォッチとしての真価です。
代表的なのが、Garmin(ガーミン)などが搭載しているオートショット機能やトラッキングシステムです。これは、ショット時の衝撃をウォッチが感知し、GPS位置情報と連動して「どの地点から打ち、どこまで飛んだか」を自動で記録していく機能。
ラウンドが終わった後、スマホのアプリを開けば、その日の全てのショットの軌跡が地図上に描かれています。「ドライバーの平均飛距離は230ヤードで、フェアウェイキープ率は40%。右へのミスが多かった」といったデータが可視化されるため、感覚に頼らない具体的な反省が可能になります。
さらに進化したバーチャルキャディ機能では、蓄積されたあなたの過去の飛距離データと、その場の風速・風向、高低差、コースレイアウトをAIが総合的に判断し、推奨クラブを提案してくれます。「ここは向かい風が強いから、いつもの7番ではなく6番アイアンで打ちましょう。左のバンカーを避けて右サイド狙いです」といったアドバイスが手元に表示されるのです。
スマートウォッチは日常でも活躍
GPSウォッチのもう一つの利点は、ゴルフ以外でも使えることです。心拍数計測、睡眠トラッキング、Suicaなどの電子決済、スマホの通知機能など、ライフスタイル全般をサポートしてくれます。高級時計ブランドであるタグ・ホイヤーなども参入しており、ファッションアイテムとしても成立するのが魅力です。
以下の記事では、高級スマートウォッチとしてのゴルフウォッチの側面についても解説していますので、併せてご覧ください。タグ・ホイヤーのスマートウォッチ完全ガイド!評判から寿命まで
2台持ちの併用でスコアアップを狙う戦略

多くのゴルフギア評論家やトップアマが最終的に行き着く結論。それは、どちらかを選ぶのではなく、両方持って、いいとこ取りをする(2台持ち)というスタイルです。コストがかかりすぎると思われるかもしれませんが、スコアへの投資対効果としてはこれが最強の解です。
2台持ちの最大のメリットは、マクロとミクロの視点を同時に持てることにあります。
具体的な運用フローは以下のようになります。
- ティーショット・セカンド地点への移動中(GPS):
カートに乗っている間や歩いている最中に、GPSウォッチでコース全体の形状、ハザードの位置、大まかな残り距離を確認します。「右のバンカーまで220ヤードだから、ドライバーで越えるな」といった戦略を立てます。 - ボール地点に到着(GPS):
ボールの横に立ったら、まずGPSでグリーンセンターまでの距離と、グリーンの形状、フロントエッジまでの距離を確認します。「センターまで145ヤード、手前エッジまで135ヤード」と把握します。 - ピンを狙う最終確認(レーザー):
おおよその距離が分かった状態で、レーザー距離計を取り出し、ピンを狙って計測します。「実測143ヤード」。GPSの数値(145ヤード)とも近いので、誤って奥の木を測っている「誤計測」ではないことが確認でき、安心してショットに入れます。
このように、GPSで情報の網羅性を確保し、レーザーで最後の精度を埋める。この相互補完関係により、情報の死角が完全になくなります。
予算を抑えたい場合は、GPSはスマホの無料アプリ(または安価なウォッチ)、レーザーは2万円前後の高コスパモデル」という組み合わせでも十分機能します。まずは手持ちのスマホアプリと、安価なレーザーの併用から始めてみるのも賢い戦略です。
競技ルール適合モデルと高低差機能の注意点

ゴルフのルールは数年ごとに改定されますが、距離計測器の使用については、2019年のルール改正で大きく緩和されました。現在では、プロの試合や公式競技でも条件付きで使用が認められるケースが増えています。しかし、ここで絶対に押さえておかなければならないのが高低差(スロープ)機能の扱いです。
JGA(日本ゴルフ協会)のゴルフ規則4.3では、距離計測器の使用について以下のように定めています。
2点間の直線距離を計測することは認められるが、プレーに影響する状況(高低差、風速、グリーンの傾斜など)を計測することは禁止される
つまり、プライベートなラウンドで大活躍する打ち上げ・打ち下ろし補正機能は、競技ではルール違反となります。重要なのは、機能が付いていること自体は問題なく、その機能をオフにしていれば使用可能という点です。
そのため、最新のレーザー距離計やGPSウォッチには、競技モード(高低差オフモード)が搭載されています。特にレーザー距離計では、スイッチを切り替えると本体側面のLEDランプが点灯(または消灯)し、「今は高低差機能を使っていませんよ!」と周囲の同伴者や競技委員に視覚的にアピールできる機能が標準装備されつつあります。
もし将来的に月例競技やコンペへの参加を考えているなら、この「外部への通知機能」が付いたモデルを選んでおくのが無難です。知らずに使って失格になるリスクを避けるためにも、購入前に必ずスペックを確認しましょう。(出典:公益財団法人 日本ゴルフ協会『ゴルフ規則 4.3 認められる、禁止される用具の使用』)
雨の日や視界不良時における強さの違い

ゴルフは自然との闘いです。晴天無風のベストコンディションばかりではありません。雨の日、霧の日、夕暮れ時など、悪条件下で頼りになるのはどちらでしょうか。これに関しては、明確にGPSウォッチに軍配が上がります。
| シチュエーション | GPSウォッチ | レーザー距離計 |
|---|---|---|
| 小雨〜本降り | ◎ 強い 防水対応なら問題なし。タッチパネル操作が少し鈍る程度。 | △〜× 弱い 雨粒にレーザーが乱反射し、計測不能や誤表示が頻発する。 |
| 濃霧 | ◎ 最強 視界ゼロでも衛星電波さえあれば正確な距離を表示。 | × 計測不可 霧に光が遮られ、全く機能しない。 |
| 逆光・夕暮れ | ○ 問題なし バックライトで見やすい。 | △ 機種による 安価なモデルはファインダー内が暗く見づらい。OLED搭載機なら○。 |
特に日本のゴルフ場(山岳コース)は霧が発生しやすい環境にあります。目の前のピンすら霞んで見えないような濃霧の中で、レーザー距離計は無力化します。そんな時、GPSウォッチがあればグリーンセンターまで残り120ヤードという唯一の手掛かりを得ることができます。
また、レーザー距離計は精密機器なので、防水性能が低いモデルだと水没故障のリスクもあります。全天候型のゴルファーであれば、悪天候時のバックアップとしてもGPSを持っておく価値は十分にあります。
2025年最新のおすすめ人気ブランドを紹介

最後に、市場を牽引する主要ブランドと、それぞれの特徴的なモデルをピックアップしてご紹介します。これらの中から選べば、まず失敗したと後悔することはないでしょう。
【GPSウォッチの主要ブランド】
Garmin:絶対王者の風格
スマートウォッチ界の巨人であり、ゴルフ機能においても他社を圧倒しています。フラッグシップモデルの「Approach S70」は、鮮やかなAMOLEDディスプレイと圧倒的なバッテリー持ち、そして詳細なコースマップ表示が魅力。
ゴルフ以外のヘルスケア機能も充実しており、「普段使いできる最高の一本」を求めるならこれ一択です。
Shot Navi:日本専用の安心感
日本のメーカーらしく、国内のゴルフ場データ(特に高低差情報)の精度に定評があります。「Evolve PRO Touch」などは、日本人の使い勝手に合わせたインターフェースで、フェアウェイナビ(現在地からフェアウェイセンターまでの距離と、そこからグリーンまでの距離を案内する機能)などの独自機能が初心者から中級者に大人気です。
Voice Caddie:AIとデザインの融合
韓国発のブランドで、洗練されたデザインと先進機能が特徴。「T11 PRO」などは、グリーンのアンジュレーション(起伏)を色別で表示する機能や、パットの距離感を掴むためのガイド機能など、ショートゲームに役立つ機能が満載です。
【レーザー距離計の主要ブランド】
Nikon:光学屋の意地「STABILIZED」
カメラメーカーとしての技術を注ぎ込んだ「COOLSHOT PROII STABILIZED」は、手ブレ補正機能において右に出るものがいません。ファインダーを覗いた瞬間、揺れていた景色がピタッと止まる感覚は感動モノ。見やすさと測りやすさを最優先するならニコンです。
Bushnell:プロの代名詞
PGAツアープロの使用率No.1を誇るブランド。「PinSeeker Pro X3 Plus Jolt」などのハイエンド機は、堅牢なボディと爆速の計測スピードが売りです。少し重くて大きいですが、その「重厚感」と「プロと同じものを使っている」という所有欲を満たしてくれるアイテムです。
TecTecTec / EENOUR / CaddyTalk:コスパとアイデアの新興勢力
2-3万円前後の価格帯で勝負するこれらのブランドも侮れません。特に「CaddyTalk Cube」や「EENOUR U1000PRO」などは、ボールまで行かなくてもカートから距離が測れる三角測量という新技術を搭載しており、利便性で大手メーカーを脅かす存在になっています。
ゴルフ距離計と腕時計はどっちが正解か総括

長きにわたる「ゴルフ距離計 vs 腕時計」の論争ですが、最終的な結論はあなたのゴルフに対する価値観の中にあります。
もしあなたが、スコアはもちろん大事だけど、それ以上にリズムよく、仲間と楽しく、スマートにプレーしたいと願うなら、迷わずGPS腕時計を選んでください。面倒な操作から解放され、コース全体を見渡す余裕が生まれ、ゴルフがもっと自由で楽しいものになるはずです。
一方で、もしあなたが、1打の重みを噛み締め、自分の技術の限界に挑戦したい。1ヤードの誤差も許したくないというストイックなアスリートマインドを持っているなら、レーザー距離計こそが相棒です。ターゲットを自分の手で捉え、距離を確信してショットを放つその瞬間、あなたはゴルファーとしての充実感を得られるでしょう。
そして、もし許されるなら、「GPSで大局を見て、レーザーで急所を突く」2台持ちに挑戦してみてください。それが、現代ゴルフにおける最も合理的で、最もスコアアップに近い近道なのです。あなたにぴったりのデバイスが見つかり、次のラウンドでベストスコアが出ることを心から応援しています!

